夜、布団に入ってもなかなか寝つけない。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めて、そのまま眠れない。一睡も出来ない・・・。不眠は経験した人しか分からない、非常につらい症状です。睡眠には個人差があって、本人のふとんから離れるときの不快感、不満感が問題になるのです。眠れないと、日中にはだるさ、眠気が残り、夜にはまた眠れないのではないかという不安感で、またまた寝つきが悪くなる、という悪循環。
○高齢者に以外と多い不眠症
65歳以上の10人のうち4人が不眠で悩まれているという統計があります。
睡眠時間は個人差が大きく、高齢になると睡眠が浅くなるともいわれています。
眠れなければ“睡眠薬があるさ”と思われるかもしれませんが、事はそれほど単純ではありません。睡眠薬を用いた場合の注意点に、めまいやふらつきと、それに伴う転倒事故があり、高齢者にとっては、多くの場合に骨折などの重篤な結果をもたらします。
また、服用して寝入った直後に電話がかかってきたりした時に、寝ぼけたようなとんちんかんな対応をしてしまい、事後にそれを記憶していないことが起こるということも知られています。
○自然な睡眠をもたらす漢方治療
漢方薬は、精神や神経の活動を抑えることなく体調を整え、その結果として自然な睡眠をもたらすという特徴があります。
◎代表的な漢方薬
漢方薬の場合、睡眠障害の型で使い分ける必要はありません
抑肝散や抑肝散加陳皮半夏:神経がこまやかで、イライラする傾向の方
補中益気湯:疲れやすく、気力も低下しがちな方
人参養栄湯:胃腸が丈夫でなく肌も乾燥しやすく、頭がすっきりしないなど
の症状を訴える方。
桂枝加竜骨牡蛎湯:手足が冷えて、時々動悸を覚えるような方
そして他の漢方薬が有効でない場合には一度は用いてみたいのが酸棗仁湯です。
お困りのことがあれば、ぜひ相談してください。