人の心を感じながら…

先日、在宅医療の講演会に参加してきました。
 
とてもいろいろと考えさせられる内容でした。
演者は介護保険と同時に4人から在宅診療を中心に開業され、今では90人の職員、そのうち9人の常勤医師が居る組織に成長しています。
外部介護事業所も使われていますが、各職種を備えれば自然に法人内で完結し、より効率的かつ充実したケアができるものと思います。
在宅診療での保険請求などが主な話になるのかと思っていましたが、内容は現場のモチベーションが高まる内容で当法人の職員には皆に聞いてほしかった内容でした。
食べられない人が食べられるようになったり、食べられない人にショートケーキが食べたいと望まれ食べさせてみたり、難病で気管切開している方が登山をしたいと言えば登山に連れて行ったり・・・
私が求める一人ひとりの方々に寄り添う医療や介護だと共感し、改めて実現したいと強く心に入り込みました。
「後で」「ダメ」「今度」「寝て」「危ない」「ルールだから」・・・介護現場ではそんな言葉が多いように思います。これは他施設だけでなく当法人もだと感じます。
私はこれまで何を願い、何を伝え、何をしてきたのでしょうか・・・職員一人ひとりが本当にすべきこと、出来ることを取り組んでくれる法人を作り上げたいと思います。
医療や介護を施し医療者、介護者である前に、皆ひとりの心を持った人であります。
職員同士も患者さん、利用者さんも皆、心を持った人であります。
高齢者でも認知症があっても皆、心を持った人であります。
今回聞いた講演でも、演者の理念や心を感じ、共感し、いろいろな苦労があったものと感じました。
医療介護を施す職種は、常に人の心を感じながら仕事をすべきと思います。

忙しい現場では、作業になる傾向も感じますが、工夫し、やりがいを感じながら仕事をしてほしいと望みます。
当法人は勿論ですが全ての医療や介護に携わる人々に、お金や私情、不満ばかりではなく、向上心と積極性を持って、お金第一にならない医療や介護を取り組んでほしいと感じます。
患者さんや利用者さんの心を感じ、その人たちのために何をすべきか、何が出来るか制度に捉われず、必要なことを必要なだけ取り組めるのが、真の医療と介護だと思います。
また、そのためにも制度を網羅し、患者さんや利用者さんの利益を埋める、不利益を生じさせない組織になる重要性を教わった講演でした。

tenohiraheart

ゆるめの風邪 ~高齢者・虚弱な方向けの漢方薬~

ここ最近、突然寒さが増してきたので少し風邪っぽさや気だるさを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
風邪の漢方薬といえば『(かっ)(こん)(とう)』というイメージですが、患者さんによっては注意が必要な場合があります。
それはまさに、今回のテーマである『高齢者・虚弱な方』に対して特に必要と言えます。
(かっ)(こん)(とう)の構成生薬の中には『()(おう)』があります。この()(おう)にはエフェドリンという成分が含まれており、この作用として尿がでにくくなったり、血圧が上がったりします。
そのため、前立腺肥大症で排尿困難や心疾患のある方に対しては注意が必要です。
(麻黄は『魔界の王様』と思って用心して下さい!) 
ただし、高齢者や虚弱な方に対して(かっ)(こん)(とう)は絶対NG! というわけではありません。発熱を伴うような風邪や頓用に出されたりすることもあります。
またエフェドリンには眠気が起きにくいといったメリットもあるので、車を運転される方にはとてもいい風邪薬でもあります。
それでは、(かっ)(こん)(とう)以外でお勧めできる処方を紹介します。
ご高齢の患者さんの診療でよく見られる、『ずっと風邪をひいた状態』に対しては香蘇散(こうそさん)を用います。

(かっ)(こん)(とう)は風邪の初期(発汗は無く、寒気がする)に対して使うとよく効きます。
この『ずっと風邪を引いた状態』というのは、風邪の初期でもなければ特に重篤感があるようなものではありません。こういったゆるめの風邪に対しては香蘇散(こうそさん)を用います。

香蘇散(こうそさん)には要注意生薬である()(おう)も含まれておらず、また眠気も起きません。
まさに高齢者・虚弱な方に対してうってつけの風邪薬ではないでしょうか?
 
まとめ
高齢者や虚弱な方の風邪に漢方薬を使用するときは、まずその風邪の状態を見極めることが大切です。
『ゆるめの風邪』には香蘇散(こうそさん)、『発熱を伴うような強めの風邪』には()(おう)を含む(かっ)(こん)(とう)。
そして豆知識ですが、(かっ)(こん)(とう)を飲むときはお湯に溶かして服用すると、体も温まり効果もよくなります。
是非お試しください。

yurumekazekanpou

理念

大人になってから「理念」というものをとても大事にするようになりました。rinen
大人になってから「流れ」というものをとても意識するようになりました。
そこには共通したものがあるように思います。
「理念」とは筋道や軸、「頂」を目指す過程に必要な方針だと思います。
「流れ」とはその「頂」をめざす過程で、有る時は逆風となり、有る時は追い風になる環境だと思います。
 
とても残念な結果となりましたが、身近なところでカープの今年を振り返ってみたいと思います。
カープの「理念」は【常勝魂】で「頂」きは【優勝】です。
そして【優勝】に向かうために様々な「流れ」がありました。
私が感じるカープの今年の大きな流れはファンの後押しによるやりがいとプレッシャーではなかったかと感じます。
その中で投手陣は黒田効果か!?安定した成績を残しましたが、中崎が安定してきたとはいえ最後まで中継ぎ、抑えには苦労しました。
そして打撃陣は年間を通して不振が続き、ラッキーボーイが出なかったのが最後の結果になったのではないかと感じます。
最初から最後まで爆発しそうで、せずに終わったというのが最終戦で象徴されていますかね!?
 
冒頭で申し上げましたが「理念」を大事にして、「流れ」を意識することがスポーツの世界だけでなく、仕事や企画様々なこと、大きく言えば人生そのものだと思います。
 
くどいようですが今年のカープは常勝するために、流れを掴めなかったというのが現実で、その流れを掴むためにラッキーボーイが出なかった・・・いや出さなかったのかもしれません。
野球の世界だけでなく、どの世界でも人脈や相性、好き嫌い、好みがあります。
小窪がラッキーボーイになりきれず、松山が定着しなかったことがカープの敗因と私は感じています。
 
組織も同じで 流れが良い時は、何故良いのか感じながら流れに任せればよいと思います。
流れが悪い時は根拠やデータも大切ですが、流れを大きく変える何かを起こすことが大事なのではないかと思っています。
 
最後に私が経験したとても面白いエピソードをお伝えして終わります。
 
何年も前のことですが、医師会のソフトボール大会決勝で最終回まで10:0で勝っていました。
私は2試合ほど投げており、その試合はライトを任され守っていましたが、時々足がつりながらの状況でした。
そんな中、敵の猛攻が始まり、私の記憶が正しければ1アウトランナー2塁で私がピッチャーに告げられました。
2試合投げ、手が浮腫み、足がつっている状況で、ピッチングが出来る自信はありませんでしたが、やむを得ない状況でした。
2アウトまでこぎつけたものの1点追加され10:9。ランナーは四球で出してしまった2人が居ました。ストライクが入らない状況でした。(これはしばしば普通でもありますが・・・笑)
体力精神力的に、最後のバッターにしなければ負けると感じたその時、私は流れを最後引き寄せるために、人生で一番と言ってよいほどの大声でセンターに向かって《ウォー》を叫びました。
当然にびっくりした人、笑った人、それぞれで、私はバッターに向かい、無心で投げ三振を取ってゲームセットとなりました。
このような経験をソフトボールなどスポーツで沢山経験してきましたし、仕事でも同じだと感じています。
 
長々とカープが負けた悔しさで書いてしまいましたが、幻のホームランなど振り返らず、次につなげていかなければならないと感じています。
緒方監督は責任を取って辞任とかいう人、大瀬良をなんで出したと言う人もいて、当然ですが、私の思いとしてはこの悔しさをバネに同じメンバーで来年を迎えリベンジしてほしいと思っています。
そのためにも、もう一年黒田投手の男気が必要なのではないかと思います。
 
当法人も「理念」を大事にし、「流れ」を意識して「男気」「女気」をもつ職員が増え、理想の介護施設に発展し、優勝、いや、利用者さんのための施設になることを目指します。