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病は気から!!

病は気からとよく言われます。

これは漢方では、生体を維持する循環要素として、「気」、「血」、「水」といった考え方がありますが、気の乱れが血や水にも影響を及ぼすと考えられていることにも起因しています。

気とは、生命活動を営む根源的なエネルギーと解されています。

しかし目に見えないものですから、未だにその理解が進んでいません。

気の病には次の3つのタイプがあります。

分類 病態 主要な症状 治療法:生薬例
気虚 量的不足 倦怠感・易疲労・食欲不振 補気:人参、黄耆
気鬱 循環障害・停滞 抑うつ・閉塞感・異物感 順気:厚朴、紫蘇葉
気逆 循環障害・逆流 のぼせ・動悸・不安 順気:桂枝、黄連

現代医学では診断のつかない症状でも、気のせいじゃありません。

漢方では病名がつくのです。そして治療薬も用意されています。

分類 代表的な治療薬
気虚 六君子湯、 人参湯、 補中益気湯
気鬱 香蘇散、 半夏厚朴湯、 女神散
気逆 苓桂朮甘湯、 桂枝加竜骨牡蛎湯、 桃核承気湯

五月病とは新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称として使われている言葉です。

専門医の間では、スチューデントアパシー(学生の無気力症)、サラリーマンアパシー(サラリーマンの無気力症)などと呼ばれています。

また医学的には適応障害とも言われますが、これも気の病のひとつです。

受験、入学、転校、入社、転勤と春は環境変化によるストレスの多い季節でもあります。

またストレスは現代病のひとつでもあって、最近ではフェイスブックなど流行の最先端のものまで私たちはストレスの負荷を受けていたりするのです。

補気はほとんど中焦(脾胃)の機能を整え活気付ける方剤です。

つまり気の不足は食事から補うとも考えられています。

ちゃんと朝食を取っていますか?

 

暴飲暴食を避け、過度なダイエットを慎み、1日3回規則正しい食事を取ることをお勧めします。

 

R7.5.17ブログ

これまでに何度も地域包括ケアシステムやつづ∞つなについてお知らせさせていただきましたが、こうした取り組みをしていると本当に様々に地域のことを考え、マイノリティーの方々に対しての取り組みも様々です。

つづ∞つなの取り組みはそうした方々をつなげるために始めましたが、つづ∞つなよりもつながりを構築し成長されている多くの取り組みを見て感心し、そうした団体、組織とうまく連携し活性化していければと期待できる状況です。

しかしながら広島県は人口流出ワースト1位を4年連続、その中で呉市は人口流出県内市町村でワースト1位です。

人口の多い広島、福山、東広島は減るどころか増えています。

すなわち呉市は待ったなしで対策が必要であり、対策を遂行しなければ地域包括ケアシステムは衰退し、住みにくい街になり益々人口流出、呉市に住みたい人も減っていくということです。

様々に住みやすく、活気が戻る対策が必要ですが、その中でも日新製鋼跡地、呉駅前再開発、そして地域医療構想が今後を左右する大きな取り組みになると思っています。

これは行政だけに任せるのではなく、市民一人一人が意識を高めて協力、支援、参加していくことが大切だと思います。

なので是非ともつづ∞つなへの参加をお待ちしております。

 

不眠症に用いる漢方薬

皆さん、よく眠れていますか?

今回は不眠症に使われる漢方薬についてお話します。

不眠をタイプ別に分類すると、入眠障害(寝つきが悪い)、熟眠障害(眠っているけどよく眠れた感じがしない)、中途覚醒(しばしば目が覚めてしまう)、早朝覚醒(早く目覚めてしまう)に分けられます。

 

食う、寝る、出すというのは人が健康に生活していくうえで非常には大事なことだと思います。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることを聞かれた方もいるのではないでしょうか?

浅い眠りをレム睡眠、深い眠りをノンレム睡眠といいます。

今、特に高齢者の睡眠障害が増えていると言われています。

その特徴はノンレム睡眠には4段階あるのですが、より深い眠りの第3,4段階の眠りが減少しているということが分ってきています。

つまり浅い眠りの段階が増え、中途覚醒の回数と時間が増えているということです。

 

不眠に対する漢方薬の代表は、まず酸棗仁湯(さんそうにんとう)が挙げられます。

2000年前の古医書「金匱要略(きんきようりゃく)」に登場する薬です。

条文には「虚労、虚煩、不得眠、酸棗仁湯主之」(虚労(きょろう)、虚煩(きょはん)、眠ることを得ざるは、酸棗仁湯(さんそうにんとう)之(これ)を主(つかさど)る)とあります。

常に疲れて弱って、些細なことが気になって眠れないものを治すということです。

酸棗仁湯に含まれる酸棗仁(さんそうにん)という生薬は不眠だけではなく、眠り過ぎにも有効で、睡眠異常の正常化薬だといわれています。

 

ほかには、イライラ感があって眠れないというものに、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)や抑肝散(よくかんさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)など柴胡(さいこ)という生薬の入ったものもよく用いられます。

柴胡には肝(疳)の昂りを鎮める作用があります。

 

柴胡加竜骨牡蛎湯や桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)に含まれる、竜骨(大型哺乳動物の骨の化石)や牡蛎(かきの殻)は、ともに主成分は炭酸カルシウムで精神安定作用を目的に加えられた生薬です。

恐い夢を見るとか、物事に驚きやすいといった症状が使う目標になってきます。

悪夢に効く漢方薬があるわけですね。

 

漢方薬はいずれも直接的な催眠剤ではないので、眠前投与とは限らず、1日3回服用も標準的な使い方です。

ハングオーバー(薬の持ち越し効果)や脱力感、薬物依存などの心配もありません。

日常生活に悪影響がないだけではなく、全身的な体調も整えてくれます。

 

尚、米国の調査では健康な人の睡眠時間は6~7時間だとする疫学データも出ています。

つまり眠り過ぎも良くないということです。

大事なのは時間ではなく、睡眠の質ということですね。

 

R7.4.17ブログ

これまで多くの言葉をたつき新聞や職員、剣道教室の子供たちなど様々に伝えてきました。

そして私自身自法人が、携わる会や地域が少しでもよくなるためには何が出来るか、何をすべきか考え実行してきました。

 

何度もお伝えしてきた言葉も多くありますが、その中でももっとも伝えてきたのは自分で限界を作ったら、そこで成長は終わると…

しかしながら様々に取り組む中で私も人間であり、限界を感じる、心身が持たないと感じることは何度も感じてきました。

 

そんな時にしてきたことは優先順位を考えることで、優先順位が低いものは延期または中止します。

中途半端に続けるとすべてが中途半端になり、頭もまとまらなくなるからです。

正直余裕ができて再度始めたことはほとんどないと思います。

 

人は時間があれば無駄に時間を費やすことが多くなると思いますし、時間が無ければ切り詰めて時間を有効活用します。

そしてどこかに少しに余裕を持ちながら全力で取り組んできたのかなと思います。

 

ここで一つお伝えしたいことは、そんな中でも優先順位、すなわち大事なこと、必要なことは絶対にあきらめないという事です。

もっと言えば心身に負担が大きくなればどうすればそれを回避し大事なことを続けられるかを考えてきました。

 

それが結果的には地域や職場、そして人間関係を構築していけると信じてやってきましたし、そのために今ある問題点を解決すべく周りを巻き込んで取り組んできました。

 

地域に必要とされるたつき会を構築し、地域で永続する組織を造り上げるために取り組んできましたが、容易ではありません。

 

今、一大プロジェクトを立ち上げようと考えておりますが、人財なくして実現せず困難な状況です。

それでもめげずに最後の地域貢献に取り組んでみようと思っております。

 

うまくいけば次代の人たちが繋いでくれると思います。

うまくいかなければ地域貢献の組織を続けることが難しくなるのだろうと思います。

 

当法人が発展し、地域貢献できる組織になるように職員はもちろん、多くの方々にご支援を頂ければと願います。

 

汗をかく季節になってきました!

3月も下旬になって急に気温があがってきました。

汗が出て止まらない、タオルやハンカチが何枚あっても足りないなど、困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか⁇

漢方治療では自然発汗が無ければ無汗(むかん)といい、あれば自汗(じかん)といいます。

つまり多汗症は自汗の過剰状態と考えますが、発汗の有無は漢方の診察のひとつの重要な物差しになります。

 

自汗の原因は大きく二つに分けられます。

一つは、表虚(ひょうきょ)です。表(ひょう)とは人体の表面付近、浅い部分を指します。

例えば急性熱性疾患の初期などにみられる悪寒や熱感といった体表の症状、首から上の咽喉痛、頭痛、首の強張りなどは表の症候です。

この表の機能低下(表虚)は自汗の原因になります。

表虚の典型的な治療薬は桂枝(けいし)(桂枝湯(けいしとう)が代表的)ですが、黄耆(おうぎ)も表の機能を高め正常化します。

代表的な方剤は、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)(水太りタイプでまた膝関節に水が溜まっているものにも用います)と黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)(虚弱な体質で、軟弱な皮膚からじとじとと汗をかく場合)です。

 

もう一つは裏熱(りねつ)です。裏(り)は人体の奥、中心部です。

内部にこもった熱は冷水を欲して口渇を招き、発汗(自汗)により熱を冷まそうとします。内部にこもった熱を冷ます代表的な生薬は白い石膏(せっこう)で、代表的な石膏含有方剤、白虎湯(びゃっことう)の名前の由来です。

代表的な方剤には、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)があります。

暑がりで強くのどが渇き冷水を多量に飲みたがる。そのくせ皮膚は乾燥気味という人に適応があります。今の時期、いくら水分を摂ってもすぐに汗をかいてしまい水分量だけ増える、体が火照る方が適応になります。

五苓散(ごれいさん)は浮腫などの水の偏在を調節しますが、結果として口渇を軽減し、桂枝含有で自汗を調整します。

そこで、妙に咽が渇いてむくみがちな二日酔いや夏バテにも有効です。

 

ほかにも精神的な発汗には柴胡(さいこ)の入ったものが適応となります。代表的な薬剤として手掌発汗が特徴的な四逆散(しぎゃくさん)や首から上の発汗が特徴的な柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)などがあります。

急性熱性疾患における自汗は虚証となっていますが、多汗症の治療においては、虚実の鑑別、原因の鑑別が重要となってきます。

 

お困りの方はぜひご相談ください。