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春の体調不良
4月も半ばに入り、過ごしやすい気候になってきましたね。
春は入学式、入社式、転勤で新しい部署に配属されたりなどと、新しい環境が訪れる季節です。そしてあと2週間もすればGWがやってきますね。春は楽しいことが沢山ある季節なので、一年で春が一番好きな方も多いのではないでしょうか。
しかしその反面、疲れが出やすく体調を崩してしまうことも多々あります。
世間ではGW期間周辺で見られる倦怠感などの症状を“5月病”といいますが、実は4月はウキウキした気分で過ごすことが多い分、気づかないうちにストレスを溜め込んでしまう場合が多いのです。
その反動として“5月病”に陥りやすくなってしまいます。ゴールデンウィークを存分に楽しむためにも、4月のストレスは4月のうちに解消しておきましょう!
気温が上がり始めると虚証の方は身体がついてゆかず全身倦怠感や食欲不振を訴えられることがあります。
漢方薬には“補気 (ほき)”という、元気をつけ、体力を補う作用をもつ薬があります。その代表例が補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。
この漢方薬は胃腸機能低下の改善や、免疫力を高めることから風邪の予防にも使われたりしています。また、この時期に急にみられるイライラ感・食欲不振の場合にも有効なことがあります。
似た処方として、十全大補湯(じゅうせんたいほとう)、清暑益気湯(せいしょえっきとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などもあり、以下のように使い分けられています。
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):顔色が悪く、皮膚の乾燥、貧血傾向がある場合
・清暑益気湯(せいしょえっきとう):夏バテの症状があり、脱水を起こしやすい場合
・人参養栄湯(にんじんようえいとう):貧血傾向に加えて、不安や咳嗽がある場合
処方名からも、元気をつけるようなイメージがあるなとお分かりいただけると思います。
すこし疲れているなと感じたら、是非試してみてください。
R6.4.18ブログ
新年度も始まり環境が変わった方、何も変わっていない方それぞれに春が過ぎ夏が始まろうとしております。
そんな中で新学年になった子供たちは勉強や部活動などで「争い」が始まっています。
しかしながら我が子を見ていると「争い」は皆無に感じてなりません。
自分のころは試験前になると悲鳴を上げていたように思いますし、受験や部活でも負けないように最大限努力したように思うのですが、近頃はそうした雰囲気をほぼ感じないように思います。楽しんで工夫して勝つという流れでしょうか!?
以前にも書きましたがライバル意識をもって「争う」ことは良い方向に作用することが多いように思います。ただ負けそうになった時に卑怯な手を使ったり、恨んだり、足を引っ張るようなことになると困りものです。そういう意味で言うと昔よりもそうしたことは少なくなったのかなとも思います。
新年度が始まり学校でも社会でも「争い」は様々な形でありますが、プラスに前向きに捉えられる「争い」で育まれていくことを願っております。
これは形を変えると向上心にも変化すると思います。
より良い年度になるようにしっかりと気持ちをブラさず取り組んでいければと願います。
便秘で注目を浴びている漢方薬
今回は便秘に使われる漢方について紹介します。
便秘に用いられる漢方薬は1種類だけではなく、下剤としての強さが幅広く多くの種類があります。
ここでひとつ豆知識として覚えていると便利なものは、構成する生薬の薬能です。
①大腸を刺激する刺激性下剤としての役割をもつ生薬:大黄(だいおう)(主成分:センノシド)
②便を柔らかくする塩基性下剤としての役割をもつ生薬:芒硝(ぼうしょう)
③小腸の水分分泌を促進する役割をもつ生薬:地黄(じおう)、麻子仁(ましにん)、杏仁(きょうにん)
漢方医学的には、①と②の薬能をもつ生薬の分類を「攻下薬」、③の薬能をもつ生薬の分類を「潤下薬(じゅんげやく)」といいます。
ちなみにですが、大黄と芒硝の組み合わせをもつ漢方薬を、承気湯類(じょうきとうるい)といいます。承気湯類(じょうきとうるい)は下剤の漢方薬なかでも特に強い作用をもつので、お腹の弱い方は下しやすくなる恐れがあります。
1. 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
大黄と甘草の2味から成る漢方薬で、切れ味がシャープ。西洋薬の下剤であるセンノシドにとても良く似ています。長期連用には注意が必要です。
2. 麻子仁丸(ましにんがん)
刺激性下剤である大黄、潤腸作用をもつ麻子仁、杏仁を含みます。便に潤いを持たせ大腸を動かしながら出す漢方薬ですので、乾燥便や兎糞便に対して用います。低K血症の恐れのある甘草や胃もたれの原因になる地黄が含まれていないので、高齢者に優しく安全性の高い漢方薬です。
3. 潤腸湯(じゅんちょうとう)
麻子仁丸に非常に類似している漢方薬で、乾燥便や兎糞便に対して用います。麻子仁丸よりも大黄の含有量は少ないので、作用は少し弱めです。地黄を含みます。麻子仁丸でよく効きすぎる場合は潤腸湯で様子を見ます。
4. 桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
筋肉の痙攣を緩和する芍薬(しゃくやく)を含みます。大黄で大腸を刺激し、痙攣性の痛みを和らげます。自律神経が失調しやすいかたで便秘の症状があるケース(便秘や下痢を繰り返すなど)で用いられます。
5. 防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん)
これは肥満症の漢方薬として有名ですが、大黄や芒硝を含むので下剤としても用います。漢方医学的には、体内に溜まった毒素を便として排出するという考え方です。ですので、中性脂肪の多い肥満症の方や化膿しやすい皮膚疾患を持つ方に用いられます。
6. 大建中湯(だいけんちゅうとう)
人参(にんじん)、山椒(さんしょう)、乾姜(かんきょう)、膠飴 (こうい)の4味から成る漢方薬で、下剤を一つも含みません。ですが、腸管の血流量を増加させるため、腸の動きがよくなることから便秘にも 応用されるケースが多くあります。冷えや腹痛があるときにはお湯に溶かすとすぐに溶けるので、比較的飲みやすい漢方薬です。乾姜は生姜を蒸して乾燥させたものなので、味としては生姜湯のようなものです。
ご自分の体調や症状にあった漢方薬を探して下さいね。
お困りの場合はぜひ、ご相談下さい。
R6.3.17ブログ
天気が悪い日が多いように思います、気分もなかなか晴れやかにならないのは私だけでしょうか?
最近はウクライナやガザ地区などの情報があまり出てこないように思いますが、まもなくプロ野球・メジャーリーグなど熱い戦いが始まります。
そこで今回は「スポーツの世界での争い」について述べてみたいと思います。
カープも熾烈なポジション争いをしていますが、同じチームで仲が良いことも多いと思います。しかし、いざメンバーに選ばれるためには仲の良い相手を蹴落としてでも自分が選ばれるようにと考えるのが普通なのかと思います。
当然に自分が成長することで相手を蹴落とさなくてもよい、自分との闘いであることの方が大事なのだと思いますが、実際に相手が失敗することで自分が選ばれることもあり素直に喜べないとは思いますが、これも運であり流れをつかんでのことかと思います。
しかし大谷翔平選手を見ていると運や流れではなく、妥協無い準備と実行からつかみ取った実力そのものなのかなと感じます。まさしく自分との闘いなのかと思います。しかし、それも彼は楽しんでいるように見て取れます。
戦いは相手がいるから発生するものであり、その原点は比較なのかなと思います。
すべての人が自分としっかり向き合い、準備実行すれば戦いは無くなるだろうという反面、すべての人がそれで結果を出せるわけではないので、思うようにならなかったときに比較が始まり、ライバルの失敗を心で喜んでしまう心が生じるのだろうと思います。
意識があるかはわかりませんが、生き物には欲が備わっており、うまくコントロールできなければ争いに結びついていくのだろうと思います。
自分との闘いはあってしかりですし、良い関係でライバルとしてお互いを高めあえれば良い争うだと思いますが、足を引っ張りしあったり、不仲な関係になるような争いは無くなっていってほしいと願います。
簡単なことではありませんが…
女性によく使われる漢方3処方
寒暖差が激しく体調は崩されていませんか?
今回は女性によく使われる漢方3処方について紹介します。最近はCMなどでもよく目に入ることが多いのではないでしょうか?漢方薬とは気づかないような名前だったりもしますよね。大抵はこの三大処方が基本処方になっていますので、その使い分けについて簡単にお話します。
まずこの婦人科三大処方というのは、医療用漢方製剤(薬局やクリニックなどで処方箋にもとづいて出される漢方薬のこと)ではどのメーカーさんでもその漢方薬についている番号が連番になっているので、とても覚えやすいです。
23番は当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)、24番は加味逍遙散 (かみしょうようさん)、25番は桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)となっています。
①当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)について
生薬 | 働き |
芍薬、当帰、川芎(せんきゅう) | 月経に伴うホルモンバランスの乱れによる諸症状を改善する。 |
蒼朮(そうじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ) | むくみなどの水分バランスの異常を整える。 |
当帰芍薬散は『血虚』や『水毒』を改善する漢方薬です。血虚というのは、わかりやすく言うと貧血状態のことで、めまいや冷え、皮膚が乾燥しやすかったりといった徴候を指します。女性は月経があるので比較的血虚になりやすいです。
水毒というのは、むくみや頭痛、吐き気などの徴候があります。イメージするなら、二日酔いによって起こる症状です。
ですので当帰芍薬散は浮腫と貧血を起こしやすく、冷えを訴える方によい漢方薬です。
②加味逍遙散 (かみしょうようさん)について
生薬 | 働き |
柴胡(さいこ)、芍薬、薄荷(はっか)、 山梔子 (さんしし)、茯苓(ぶくりょう) | 精神を安定させ、更年期障害に伴う諸症状を改善する。 |
当帰、芍薬、牡丹皮(ぼたんぴ) | 下腹部の血流をよくする。 |
甘草(かんぞう)、蒼朮、茯苓、生姜 | お腹の調子を整える、また、浮腫を改善できる。 |
加味逍遙散はホルモンバランスの乱れによって起こる精神不安までカバーできる漢方薬です。PMSや更年期障害でイライラするなどの精神症状が現れた場合にも対応します。また、肩がこる、頭が痛い、眠れない…など多愁訴(たしゅうそ)を訴えられる方に良い処方です。
③桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)について
生薬 | 働き |
桃仁(とうにん)、 牡丹皮 | 血のめぐりをよくし、女性ホルモンのバランスを正常にする。 |
桂皮(けいひ)、茯苓 | ホットフラッシュなどの冷えのぼせの症状を改善する。 |
芍薬 | 月経痛などの痛みを緩和する |
桂枝茯苓丸は『お血(おけつ)』という病態を改善する漢方薬です。お血というのは、月経の際、血の塊が出たり、アザが出来やすかったりなどの徴候があります。月経不順もお血の徴候の一つです。桂枝茯苓丸はそのような血の滞りを改善したい方に良い処方です。
いかがでしたか?皆さんも漢方薬を選ばれるときは自分に合った処方を選べるように参考にしてみて下さいね。