今年は早く寒くなり…

今年は早く寒くなり、インフルエンザも流行しつつあります。
予防接種や手洗いうがい、日々の生活リズムを整えて、感染予防に努めてください。
 
さて、カープ優勝パレード・ファン感謝デーも終わり、
カープ一色だった今年も終盤となりました。
いろいろなことがあった一年ではないかと思いますが、老弱男女問わず今年を振り返り、
来年に向けて心の準備、目標設定など準備を整えましょう!
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年末気忙しくなり行事なども多いかと思われますが、
お体にご自愛いただき最後の最後で大きな事故や病気が無いことを願っております!

漢方医学の基本概念~寒・熱~

今回は「寒熱(かんねつ)」について紹介しますが、さほど難しい概念ではありません。
患者さん本人が寒いと感じ、温めると楽になるのか、逆に熱いと感じ、
冷やすと楽になるのかという自覚的な観点に着目します。
前者を「寒証(かんしょう)」、後者を「熱証(ねつしょう)」といい、前回ご紹介した「証」のひとつです。
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寒証
 冷え、冷感を訴える。風邪の引き初めに悪寒を強く感じるが熱はあまり上がらない等
熱証
 炎症、発熱、熱感、発赤等を訴える。また、精神的な興奮により熱感やのぼせを示す等 
 
1.「寒証」
「寒証」の基本治療は、温めることです(()陽散(ようさん)(かん)といいます)。
附子(ぶし)桂皮(けいひ)乾姜(かんきょう)呉茱萸(ごしゅゆ)山椒(さんしょう)等の生薬は身体の深部を温めます。
また、温めて発汗を促す(解表(げひょう)(やく)といいます)()(おう)(さい)(しん)などは、皮膚や筋肉、関節など
身体の外表部である「表」の血行を改善して温めます。
これらの治療方法は「寒証」の原因が外からの寒気である「外因」である場合、
いわゆる急性期の症状を呈する場合です。
しかし、その原因が身体内部の問題である「内因」の場合は慢性の症状となります。
そういった場合は「内因」を改善しなければ根本的な治療にはなりません。
以下のような場合が考えられます。
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2.「熱証」
「熱証」の基本治療は、冷やすことです(清熱(せいねつ)といいます)。
急性期に強い熱状を呈している場合は、石膏(せっこう)知母(ちも)黄連(おうれん)黄(おうごん)(さい)()等の「清熱薬」で
治療します。
これらの生薬は精神的な興奮による熱感にも対応します。
また、熱や、炎症が消化管に入り便秘を発症している場合は「清熱・瀉下」の薬能をもつ
大黄、芒硝を配合した「(じょう)()湯類(とうるい)」を使用します。
しかし、「寒証」の場合と同様に、「熱証」の原因が内因である場合は慢性症状となり、
根本的な治療が必要となります。
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冬に近づくにつれて冷えが気になる季節となります。
この寒熱の概念を理解することが、漢方薬の処方選択に役立つことになるでしょう。