世界では様々な推移が出ています。皆さんにとってなじみがあるのは人口推移ではないでしょうか?2050年には日本の人口は何人になるなど耳にされたことがある方は少なくないと思います。「だから何?」とピンとこない方も多いのかもしれません。
これまでに何度も人口減少や少子化などの問題点を書かせていただきましたが、今回は我々の業界に特化した推計についてお伝えしたいと思います。
地域にもよりますが特に広島を中心にお伝えしますと、すでに後期高齢者の人口増加は緩やかになり外来患者さんは減少傾向にあります。
裏を返して言えば、今後外来対応医療機関は少しずつ必要なくなるということです。
しかしながら在宅診療(往診)は2040年までは減少しないと言われています。呉に限定するともう少し早くに減少し始めるのかもしれませんが、まだしばらくは増加していきます。
川尻には外来対応医療機関は比較的多くありますが、在宅診療(往診)の対応をされる医療機関はわずかです。
そのため当院が在宅診療(往診)に力を入れなければ地域の方々が困る状況であり、私の外来時間を減らして在宅診療(往診)に対応しなければならなくなっているのが現状です。
現在、学校医・医師会病院の非常勤医師・産業医・ワクチン接種など外来診療だけでない業務も行っており、外来枠を減らしても在宅患者さんは増えつつあり、受け入れられる時間は無くなってきている状況もあります。
こうした推計を考えながら時代を先取りしてこれまで20年以上地域医療に携わらせていただいております。
医療については上記に述べましたので、続いて介護事業について簡単に今後の見込みをお伝えしておきます。
居宅(ケアマネ)はしばらく必要度が増し続けます。通所は今後、少しずつ利用者が減少してくると思われます。
短期入所や入居施設はまだまだ増加していきますが、呉市は今後医療機関の病床整備が大きく変化するだろうと推測され増加しない可能性も十分に考えられます。
訪問看護・訪問リハビリ・訪問介護(ホームヘルプ)はもうしばらく増加していきますが、入院や入居が増えていくことから10年後くらいから減少傾向になっていくものと思われます。
なぜこうしたことをお伝えするかと申しますとこれも地域包括ケアシステムが関係します。必要度が低くなる介護事業所は評判のよくないところから経営が成り立たなくなります。
もしくはすべての介護事業所がぎりぎりで体力を失い共倒れになるかです。
以前の記事でも書きましたが、コンビニが地域に無くなれば町民の方々はとても不自由になります。
介護事業所も共倒れになると当然に近くのところを利用したくても利用できなくなり困ると思います。では遠くの事業所が迎えに来てくれるでしょうか?
人員不足で疲弊している事業所が遠くの人を送迎するデメリットを避けることになるのは当然です。
そうしたことも利用される方々、計画するケアマネが考えていかなければ地域が衰退していくこととなります。
介護事業所は選ばれるサービスや介護の質の向上に取り組まなければなりません。
そうしたことも地域包括ケアシステムの構築であることを知っていただきたくお伝えさせていただきました。