7月29日夜7時からテレビで「林修の今でしょ!講座」で帝京大学の新見正則先生が講師で
内容は
1.夏かぜ、2.肩こり、3.腰痛、4.うつ病、5.認知症、6.がん、7.肥満
に対するものでした。
1.夏かぜに対しては、葛根湯、眠くならないのがメリット!
2.肩こりには、急性期には葛根湯もいいが、長引いたら肩甲骨が固まってくるので動かすことが一番、
水泳がいいですよ。
3.腰痛の急性期には勺薬甘草湯、慢性期のものには疎経活血湯
4.うつ病には漢方はサポート程度で、うつ病もどきに加味帰脾湯、人参・黄耆の組み合わせが、気力、
体力も落ち込んだ状態を回復させてくれる。
5.認知症に効く薬は、残念ながらまだ西洋薬、漢方薬にもありません。ただ漢方では興奮を抑えるのに
抑肝散が注目されています。
6.がんに効く漢方薬はありません。ただ、精神的疲労や抗がん剤の副作用を和らげるのに補中益気湯が
役に立ちます。これも人参・黄耆の組み合わせが入っているので気力・体力を回復させてくれますから、
手術前や手術後に役に立ちます。
7.肥満には、防風通聖散が有名ですが、基本はイン・アウトの問題。取るカロリーと消費するカロリー
のバランスなので食事、運動療法が基本です。
といった内容でした。
さて、かぜに対する漢方薬は保険適応のものだけでも14種類もあります。また、腰痛の効能を持った漢方薬も8種類もあります。漢方薬は異病同治(異なる病気でも同じ治療薬が用いられることがある)や同病異治(同じ病気でも人によって使う薬が違う)が当たり前です。それは漢方薬が本来、生体の持っている自然治癒力を補うように作られたものが多いからです。病名は同じ風邪でも、ウィルスを撃退しようとする反応は人様々です。その風邪に対する代表が葛根湯であり、人によっては、麻黄湯、桂枝湯、麻黄附子細辛湯などが使われることもあります。急性の腰痛に対する筋肉の緊張や痛みには、概ね芍薬甘草湯でいいでしょう。
うつ病や認知症、がんに対する効能を持った漢方薬は実はありません。ただ、その病気の症状によっては漢方薬が適応となることもあります。
人参・黄耆の入った補中益気湯、十全大補湯、清暑益気湯、加味帰脾湯などは、疲労・倦怠感を改善してくれます。夏ばて気味の方はどうぞお試し下さい。