花粉症の方には辛いシーズンがやってきました。
昨年は花粉の飛散量はとても少なかったのですが、
今年は昨年よりは多く、例年に比べると少ないという予想になっています。
漢方薬では何がよく使われているかというと、
現代医学的手法であるランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)によって
評価の確定している小青竜湯が用いられることが多いです。
小青竜湯の使用目標がくしゃみ・鼻水・鼻づまり(花粉症の3大症状)という点からも理解できます。
小青竜湯では効果がいまひとつという患者さんもいらっしゃいます。
そういう時に、漢方の考え方が必要になってきます。
つまり陰陽、虚実です。
分り易く言えば、
(陰証)冷えが強ければ、ブシや乾姜の入ったもの、
(陽証)熱感があれば、石膏や黄連の入ったもの、
(虚証)胃腸が弱い方には、麻黄の入ってないものとなります。
つまり、小青竜湯を基本に、
(陰証)冷えの強い方、鼻粘膜も白っぽい方には麻黄附子細辛湯、更に長期には桂枝湯や桂枝加朮附湯
などを加えていったりします。
(陽証)冷えがなく、鼻粘膜は赤く炎症の強い方には大青竜湯(エキス剤では越婢加朮湯と麻黄湯を
合せて飲む)や桂枝二越婢一湯(エキス剤では越婢加朮湯と桂枝湯を合せて飲む)が適応します。
さらに
(虚証)麻黄が胃にもたれるという方は、苓甘姜味辛夏仁湯となります。
更に慢性鼻炎の病態になってきますと、
葛根湯や葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯や排膿散及湯、荊芥連翹湯や柴胡を含む漢方薬も
使われたりもします。
現代病の一つ、花粉症に悩む方は年々増えています。
麻黄の入ったものは即効性がありますし、眠くなるという不快感もありませんので、
ぜひ自分にあった漢方薬を見つけてみて下さい。