暑さや湿気に悩まされる季節となってきましたね。
特に夜は空調機をつけるまでもないですが、
蒸し暑くて寝苦しいなと感じる日が多いのではないでしょうか?
今回は長期的に睡眠で悩まれている、そんな方に試して頂きたい漢方薬を紹介します。
しかし、漢方薬には、飲んですぐに眠気が期待できる『睡眠導入剤』のようなものはありません。
漢方薬は睡眠導入剤と違い、1日3包の服用により心身のバランスを整えるので『睡眠の質』を改善、
つまり『ノンレム睡眠を増やす』ということが最近明らかになってきています。
なので、『眠れないからこの漢方だ!!』という決まりの処方はありませんが、
今回は一般的によく用いられている漢方薬を例に挙げてみます。
1.抑肝散 (抑肝散加陳皮半夏)
興奮しやすい、神経が高ぶりやすい場合に用いられる処方で、最近では認知症の周辺症状に対しても
使用されることの多い処方です。元々は小児の夜泣き、いわゆる癇の高ぶりを抑えるために使用され
てきました。不安で眠れないというより、イライラして眠れない場合に有効です。
2.酸棗仁湯
心も体も疲れ切っているのに、逆に気が高ぶってしまって眠れない場合に有効です。
不眠で用いられる漢方薬のファーストチョイスといわれている漢方薬です。
ノイローゼ気味な方は良いかもしれません。
3.加味帰脾湯
上記で見られるような症状に加え、さらに不安感が強い、元気がない、食欲不振、強いストレス
などの症状が見られる場合に有効です。また顔色が悪い、もともと貧血気味な方は良いかもしれません。
以上ご参考にしていただければと存じます。