梅雨の時期を越え、いよいよ暑さも夏本番に近づいてきました。
去年は7月下旬を過ぎたあたりから気温30℃を超える暑い日々が始まりました。
日中、野外で過ごすことが多い人は勿論、快適な室内で過ごす場合においても
気温の変化で体調を崩しやすいので気をつけて下さいね。
去年は夏バテ対策に、
『補中益気湯』、『清暑益気湯』
という漢方薬について紹介しました!
(覚えていますか?)
これらは消化吸収機能を改善・体に元気をつける、
『補剤』とよばれるグループの漢方薬です。
どちらも元気を補うための漢方薬ですが、
補中益気湯はもともと体力のない方が暑い夏を乗り越えて頂くための処方で、
清暑益気湯は汗がジクジク出る・体が熱さで火照っているような場合に使うと効果が良い漢方薬です。
今年は、夏に有用な『五苓散』と『白虎加人参湯』という漢方薬について新しく触れたいと思います。
1.五苓散
この漢方薬は比較的よく知られているのではないでしょうか?
五苓散は浮腫、めまい、頭痛、二日酔い、下痢など、体内の水分偏在をコントロールする薬として
万能です。
五苓散は、既に熱中症になってしまった場合に有用です。
もっとわかりやすく言うと、水分補給をしっかりしているのに一向に気分が良くならない場合に
効果を示します。
このような人は水分をうまく吸収できない状態だと考えることが出来るので、
五苓散で後押ししてあげます。
2.白虎加人参湯
白虎加人参湯は、白虎湯に人参を加えた処方です。
白虎とは石膏という生薬を表します。
石膏の生薬が白いことから中国の神話に出てくる四神の一つで西方を守護する白虎の名前が
与えられました。
西方には砂漠がありますので、その守り神の白虎がもつ白虎加人参湯の薬能は
『身体の灼熱感を鎮め、乾きを潤す』
というわけです。
石膏は比較的、冷やす力が強い生薬です。
体が火照ってしまって夜が眠れない、暑くて暑くて苦しいといった状態の時、
白虎加人参湯でガツンと冷やしてあげると良いでしょう。
今回は熱中症になってしまった場合にもちいる漢方薬を紹介しました。
ご自身がどの状態に近いのか考え、是非参考にしてみて下さいね。