ブログ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

風邪のあとの咽頭痛には小柴胡湯加桔梗石膏!

10月に入り朝晩が急に冷えてきて、皆さん、風邪を引いてませんか?
また熱は下がったけど喉が痛くて困っているという患者さんはいらっしゃいませんか??
今回はそんな時に使う漢方薬、小柴胡湯加桔梗石膏をご紹介します!
 
小柴胡湯加桔梗石膏は小柴胡湯という漢方薬がベースになっています。
小柴胡湯は日本では古くから肝炎の薬として使用されてきましたが、
中国では「風邪薬」として使用されてきました。
 
小柴胡湯は往来寒熱(午前は熱が出ないが午後に熱が出る)、口が苦い、喉が痛い、
胃腸の調子が悪いなどの症状、風邪の初期ではなく若干、長引いた時に使う漢方薬です。
小柴胡湯加桔梗石膏は咽頭痛に対して小柴胡湯を更にパワーアップした
処方構成(プラス石膏・桔梗)になっています。喉が赤くなって痛い、
扁桃炎を繰り返すなどの状態に効果が期待できます!!
 
特に風邪の引き始めにOTCの風邪薬を飲んだけど、スッキリしない、
熱は下がったけど、口が苦くて食事が美味しくない、喉が痛い・腫れている、
胃腸の調子が悪いなどの症状でお困りの患者さんへ
ファーストチョイスで処方される漢方薬、それが小柴胡湯加桔梗石膏です!!
 
小柴胡湯加桔梗石膏の服用方法は白湯に溶かして、
口の中でうがいをしてから吐き出さず飲み込みます。
そうする事で成分が患部に当たり、より効果を発揮します。
今回、ご紹介したお薬は桔梗という生薬が甘くて漢方薬の中でも飲みやすいと思います。
 
これからのシーズン、風邪・インフルエンザも流行ってきます。
風邪が長引いて、咽頭痛でお困りの患者さんは是非、ご相談下さい!!

intoutu

H30.10.11ブログ

気候も良くなり、長年していなかったゴルフを再開しました。
いつからしていないのか忘れましたが、10年以上まともにしていません。
 
再開した理由と辞めた理由どちらが気になられますかね?
他人事でどっちでも良いかもしれませんが・・・
 
始めたのは、知人がゴルフにはまっており、
スイングを見てクラブ1本で勝てると豪語したのが始まりです。
辞めたのは様々ですが、社会や医療関係の情報交換の場では無くなり、
競技性が増すなか自己の成績も伸びず、メリットも無くなり、子供の習い事なども原因です。
 
自分のクラブも知人にあげ、クラブすらなかった状況から中古クラブを購入し、
豪雨災害前に準備を済ませたのですが、行くこともなく3カ月が過ぎ、
先日やっとコース再デビューしました。
午後から18ホール連続で回り、正直疲れ果てました。
スコアも付けず内容は最悪、身体もボロボロになりました。
 
かろうじて知人には勝ちましたが、楽しさよりも辛さの方が大きかったです。
 
これから続けるか・・・
体を壊さないように、気候の良い時だけに、散歩と自然の中でリフレッシュの為に
続けるくらいにしようかと思っています。
なので、このブログを拝見された方が私にお声をかけて下さる方もいらっしゃると思いますが、
ほとんどお断りすると思いますのでお許しください。

sugafar

芍薬甘草湯はしゃっくりにも使える!

今回は『しゃっくり』についてお話したいと思います。
肺の下に位置する筋肉である横隔膜(おうかくまく)が痙攣すると、声帯の筋肉が収縮します。
狭くなった声帯を息が通ることで、「ひっく」といった音を発声します。
この異常呼吸を『しゃっくり』といい、またの名を『(きつ)(ぎゃく)』ともいいます。
横隔膜の痙攣によるしゃっくりは、特別な理由がなくても発症し、健康な人でも起こり得ます。
ほとんどは数分ほどで自然に治ります。

しかし、頭部外傷や心筋梗塞、腫瘍などの器質的な疾患が原因の場合は、
病気を治療しないことには止まらないこともあります。

原因が不明な場合には漢方薬などを使う手があります。

例えばその代表処方が芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)です。
この漢方薬はこむら返りに使われることでお馴染みです。
しゃっくりに効果的な漢方薬を3処方紹介します!
 
芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)
 この漢方薬には鎮痙・鎮痛効果があります。
 ふくらはぎの筋肉の異常収縮以外にも、胃痛や生理痛にも用いることができる処方です。
 しゃっくりに用いるときは芍薬甘草湯単独、あるいは呉茱萸湯(のちほど解説します)と
 併用で用いられます。
 芍薬甘草湯はあまり証を考慮せずに用いても効果がある漢方薬ですが、
 [甘草]の含有量が多いため、低カリウム血症などの副作用には注意が必要です。
 
呉茱萸(ごしゅゆ)(とう)
 この漢方薬は、全ての生薬が温める方向性を持っており、冷えを訴える方に適しています。
 特に、[呉茱萸]は、吐き気や嘔吐を改善する「止嘔」の薬能をもつ生薬です。
 普段から冷え性の方が、何らかの原因でさらに体の芯まで冷えて、
 吐き気やしゃっくりを生じる場合に使う処方です。
 
半夏瀉(はんげしゃ)(しん)(とう)
 難治性のしゃっくりにはファーストチョイスとなります。
 なぜ効果があるのかははっきりわかっていませんが、
 ストレス関連の場合には試してみる価値があります。
 半夏瀉心湯はかつて吉田茂首相のしゃっくりの治療に使用されたことが知られています。
 初回1包ないし2包(2.5~5g)を湯呑1杯程度のお湯に溶かし、冷やしたところで
 一気に服用し、その後、原疾患にもよりますが1日3包(7.5g)を数日間継続するという
 方法があります。
 
もししゃっくりがなかなか止まらないという場合があれば、
このような漢方薬を用いてみてもよいかもしれませんね!


syakkuri


H30.9.8ブログ

豪雨災害から2か月が過ぎ、関西周辺は台風、北海道では地震で大きな被害が出ています。
被害に遭われた方々のご冥福を祈るとともに早期復旧を願います。
豪雨災害では多くの交通機関が麻痺し、日々の復旧作業で回復してきています。
まだまだ完全復旧までには時間がかかる所ですが、関西国際空港が浸水し、
車や倉庫などが風で飛ばされ台風被害でも交通に大きな打撃を与えました。
さらに日を空けず、北海道で大地震となり、北海道から関西へ行かれる方々は何日も足止を食らい、
電気の無い時間を過ごされ大変な状況であったと思います。
 
豪雨災害のボランティアも続く中、各地でも被害があり、
復旧活動に疲れ果てている方も少なくないのではないでしょうか!?
酷暑の中で誰かの為にボランティアをされてきて、
立て続けに災害が起こり心身ともに疲弊するものと思います。
被害に遭われた方々はもちろんですが、全ての被害に携わり、現場に足を運び努力されている方々は
少なくないと思います。
この場をお借りして、災害復旧に関り、早期復旧にご尽力頂いているすべての方々に感謝申し上げます。
 
当地では断水が長く続き、大変でしたが、北海道では停電で水、食料、交通、全てにおいて
ライフラインが切崩されています。
停電は比較的早く復旧されたようですが、不便さは経験された方しか分からないと思います。
いずれにしても、災害があった全ての地域で、少しでも早く復旧され、日常が取り戻されることを願っております。
また多くの方々の支援で確実に復旧活動が進んでいくことを信じて、一歩ずつ進んでいきましょう!

volunteerthankyou

五苓散という漢方薬

お盆が明けて、だいぶ涼しくなってきました。
近年は空調機器の普及により夏バテの症状は夏の盛りの時期にみられることが多いです。

しかし、本来「夏バテ」というものは涼しくなり始めたころに夏場の疲れが現れます。

これからの気温差に体が対応しきれなくなり、
倦怠感や胃腸症状、風邪のような症状がみられる場合があるので注意してくださいね。
夏場の漢方処方には、倦怠感や食欲不振にもちいる補中(ほちゅう)(えっ)()(とう)(りっ)君子(くんし)(とう)清暑(せいしょ)(えっ)()(とう)など
がよく知られています。
そして漢方薬としての知名度は高いのに、夏場の使用が普及していないものが五苓散(ごれいさん)です。
 
漢方メーカーの情報をみると五苓散の効能効果には、
「口渇、尿量減少するものの次の諸症:浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、
悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病」となっています。
一見何の共通点もない文字の羅列だと思いますが重要なキーワードが隠されています。

それは「水」が関与しているということです。

漢方医学では、「水」は体内を循環する透明な液体、いわゆる「体液」を示します。
健康な状態ではこの「水」が体中を円滑に巡っているのですが、なんらかの異常をきたすと
滞りや欠乏することがあります。

それが「水」の異常となります。

そして五苓散が対応する疾患は、「水」が滞ったために生じる「水毒」という病態です。
「水毒」は体の中に水溜まりができるイメージです。
 
夏場に水分をたくさん摂取したりクーラー環境下で体が冷えるなどすると、
「水毒」の病態に近づきます。
血流が悪くなるともちろん浮腫みやすくなったり、冷たいものを摂取したことによって胃腸が冷え、
下痢を起こします。
胃腸機能が低下すると水分代謝がうまくいかなくなるので熱中症も起りやすくなったり、
悪循環に陥ります。
そこで、五苓散は体の中の水のめぐりを改善する漢方薬です。
嘔吐や下痢は消化管内の水溜まり、めまいや頭痛も脳血管の浮腫と考えれば、
すべて五苓散の適応疾患ではないでしょうか。
これらより、五苓散は夏場にみられる症状、いわゆる「暑気あたり」に効能効果があるのです。
 
五苓散は実際に熱中症の点滴の効果を高める目的で使われます。
水分代謝がうまくいかない熱中症患者にはもってこいの処方でしょう。
点滴後もなかなか体調が戻らないときに、点滴後3~4日間五苓散を飲むとよいとされています。
 
水分をしっかり摂っているのに調子が悪い場合は試してみてはいかがでしょうか?

natubatemizudoku2