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夏バテしたくないですよね!
7月に入り、全国的に暑さが厳しくなってきました。まだ梅雨明けしていない高温多湿のこの時期では、熱中症への警戒がより必要になります。「まだ大丈夫!」と思わずに、水分補給と暑さを避ける対策、エアコンなども上手く使いましょう。
今の暑さを考えれば、十分な対策をとっても体調不良が避けられない場合があります。そんな時に役に立つ漢方薬が『補中益気湯』、『清暑益気湯』です。この時期になると毎年決まって体調を崩す方、既に夏バテ傾向にある方にはぜひ、試していただきたい漢方薬です。

補中益気湯
「中(胃腸機能)を補い、元気を益す」というネーミングの漢方薬です。胃腸機能が低下して倦怠感を訴え、免疫力も低下している場合によいとされます。もともと体力のない方が暑い夏を乗り越えて頂くための処方です。暑さで微熱・寝汗が出てきたら処方するタイミングとなります。だるい、疲れた、しんどい等の倦怠感や、食べる気も起らないといった場合に使用してみて下さい。
清暑益気湯
上述した補中益気湯がベースとなり、「暑さを清めて元気を益す」という夏に特化した漢方薬です。通常は普通に過ごすことが出来る方が、暑いために体調を崩した時に使う処方です。麦門冬、五味子が体に足りない水分を補い、黄柏が火照った体を冷まします。また、夏に沢山水分を取ってお腹が冷えて下痢をしてしまう場合に対しても効果が期待出来ます。真夏に肉体労働者の方々に協力を頂いて行われた報告では、肉体労働時の体温上昇を軽減しています。じっとしていても汗がジクジク出る、のどが渇く、下痢をしやすいと言った場合に使用してみて下さい。
点滴をしてもなかなかだるさが取れないといった場合に対しても、この2つの漢方薬をどちらか飲めばスッキリすることでしょう。暑い夏を乗りきるためにこの漢方薬を利用してみて下さいね。お困りに方はぜひ、ご相談下さい。

R5.6.15ブログ
世界では様々な推移が出ています。皆さんにとってなじみがあるのは人口推移ではないでしょうか?2050年には日本の人口は何人になるなど耳にされたことがある方は少なくないと思います。「だから何?」とピンとこない方も多いのかもしれません。
これまでに何度も人口減少や少子化などの問題点を書かせていただきましたが、今回は我々の業界に特化した推計についてお伝えしたいと思います。
地域にもよりますが特に広島を中心にお伝えしますと、すでに後期高齢者の人口増加は緩やかになり外来患者さんは減少傾向にあります。
裏を返して言えば、今後外来対応医療機関は少しずつ必要なくなるということです。
しかしながら在宅診療(往診)は2040年までは減少しないと言われています。呉に限定するともう少し早くに減少し始めるのかもしれませんが、まだしばらくは増加していきます。
川尻には外来対応医療機関は比較的多くありますが、在宅診療(往診)の対応をされる医療機関はわずかです。
そのため当院が在宅診療(往診)に力を入れなければ地域の方々が困る状況であり、私の外来時間を減らして在宅診療(往診)に対応しなければならなくなっているのが現状です。
現在、学校医・医師会病院の非常勤医師・産業医・ワクチン接種など外来診療だけでない業務も行っており、外来枠を減らしても在宅患者さんは増えつつあり、受け入れられる時間は無くなってきている状況もあります。
こうした推計を考えながら時代を先取りしてこれまで20年以上地域医療に携わらせていただいております。
医療については上記に述べましたので、続いて介護事業について簡単に今後の見込みをお伝えしておきます。
居宅(ケアマネ)はしばらく必要度が増し続けます。通所は今後、少しずつ利用者が減少してくると思われます。
短期入所や入居施設はまだまだ増加していきますが、呉市は今後医療機関の病床整備が大きく変化するだろうと推測され増加しない可能性も十分に考えられます。
訪問看護・訪問リハビリ・訪問介護(ホームヘルプ)はもうしばらく増加していきますが、入院や入居が増えていくことから10年後くらいから減少傾向になっていくものと思われます。
なぜこうしたことをお伝えするかと申しますとこれも地域包括ケアシステムが関係します。必要度が低くなる介護事業所は評判のよくないところから経営が成り立たなくなります。
もしくはすべての介護事業所がぎりぎりで体力を失い共倒れになるかです。
以前の記事でも書きましたが、コンビニが地域に無くなれば町民の方々はとても不自由になります。
介護事業所も共倒れになると当然に近くのところを利用したくても利用できなくなり困ると思います。では遠くの事業所が迎えに来てくれるでしょうか?
人員不足で疲弊している事業所が遠くの人を送迎するデメリットを避けることになるのは当然です。
そうしたことも利用される方々、計画するケアマネが考えていかなければ地域が衰退していくこととなります。
介護事業所は選ばれるサービスや介護の質の向上に取り組まなければなりません。
そうしたことも地域包括ケアシステムの構築であることを知っていただきたくお伝えさせていただきました。

水の異常に役立つ漢方薬!五苓散!
漢方では、生体を維持する循環要素として、「気」、「血」、「水」といった考え方がありますが、今回は「水」の異常について紹介します。
ヒトは1日に2Lもの水を体外に放出しており,それを食物や飲料によって補っていますが,腎臓の糸球体は1日に約180Lもの体液を濾過しその98%を再吸収しています。このように水は私たちが生きていく上で欠かせないものです。その水の流れが滞り、体のどこかで過剰となったり、偏在したりすることを漢方では「水滞」あるいは「水毒」といって治療の対象となります。
主な症候は、以下の通りです。
①分泌異常:水様性鼻汁、喀痰、帯下、浸出液、尿利の減少・過多、水様下痢
②停滞:浮腫、胸水、腹水、関節液貯留、腫脹、胃内停水、腹中雷鳴
③自覚症状:動悸、めまい感、回転性眩暈、起立性眩暈、耳鳴、頭痛、口渇、 嘔吐、咳嗽、喘鳴
水毒の診断基準(総計13点以上を水毒とする) |
身体の重い感じ | 3 | 悪心・嘔吐 | 3 |
拍動性の頭痛 | 4 | 腸のグル音の亢進 | 3 |
頭重感 | 3 | 朝のこわばり | 3 |
車酔いしやすい | 5 | 浮腫傾向・胃部振水音 | 15 |
めまい・めまい感 | 5 | 胸水・心のう水・腹水 | 15 |
立ちくらみ | 5 | 臍上悸(腹大動脈の拍動が触れる) | 5 |
水様の鼻汁 | 3 | 水瀉性下痢 | 5 |
唾液分泌過多 | 3 | 尿量減少 | 7 |
泡沫状の喀痰 | 4 | 多尿 | 5 |
治療生薬は、茯苓、蒼朮、白朮、猪苓、沢瀉、防已、黄耆、細辛、麻黄、杏仁、半夏、木通などで、利水薬と呼ばれます。そして代表的な方剤は五苓散です。
これから暑くなるとビールやお酒の美味しい季節がやってきます。皆さんも二日酔いの経験はあると思いますが、これも水毒なのです。他にも車酔い、子どもに多い嘔吐下痢、今の時期であれば雨降り前に頭痛やめまいがひどくなる、体調がすぐれない。そんな時に手許に置いておきたい薬です。
お困りの方はぜひご相談下さい。

気の異常・病
GW連休も終わり新たな環境に慣れた頃でしょうか?最近は急に気温も上がり体調を崩されている方はいらっしゃいませんか?
病は気からという言葉があります。
東洋医学には気・血・水といった考えがありますが気の異常が水・血にも影響をおよぼすと考えられています。
気とは生命活動を維持する大事なエネルギーと考えられていますが、目に見えないものですから、なかなか解明されていません。
気の病には次の3つのタイプがあります。
分類 | 病態 | 主な症状 | 治療法:生薬 |
気虚 | 量的不足 | 倦怠感・易疲労・食欲不振 | 補気:人参、黄耆 |
気鬱 | 循環障害・停滞 | 抑うつ・閉塞感・異物感 | 順気:厚朴、紫蘇葉 |
気逆 | 循環障害・逆流 | のぼせ・動悸・不安 | 順気:桂枝、黄連 |
現代医学では診断のつかない症状でも、気のせいじゃありません。漢方では病名がつくのです。そして治療薬も用意されています。
分類 | 代表的な治療薬 |
気虚 | 六君子湯、 人参湯、 補中益気湯 |
気鬱 | 香蘇散、 半夏厚朴湯、 女神散 |
気逆 | 苓桂朮甘湯、 桂枝加竜骨牡蛎湯、 桃核承気湯 |
五月病とは新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称として使われています。また医学的には適応障害とも言われます。これもの病のひとつで受験、入学、転校、入社、転勤と春は環境変化によるストレスの多い季節でもあります。またストレスは現代病のひとつでもあって、最近ではSNSなど流行りのものまで私たちはストレス受けていたりするのです。
補気はほとんど中焦(脾胃)の機能を整え活気付ける方剤です。つまり気の不足は食事から補うとも考えられています。
ちゃんと朝食を取っていますか?
暴飲暴食を避け、過度なダイエットを慎み、1日3回規則正しい食事を取ることをお勧めします。
お困りのことがあればぜひ、ご相談下さい。

R5.5.16ブログ
今回は地産地消について述べてみたいと思います。
皆さんは普段の生活の中で地産地消を意識していますか?
私は意識していますが、なかなか難しい部分もあります。
では、皆さんはどんなことに意識していますか?
これまでも地域包括ケアシステムの観点からお伝えしてきましたが、地域で生活する上で必要なお店は残ってもらわないと将来困ります。すぐに思いつくものとして衣料品店、食料品店、ガソリンスタンド、生活雑貨店、理・美容院、電化製品店などかと思います。
しかしながら近年インターネットの発達や宅配(移動販売)の発展でなくても困らない状況になりつつあります。
高齢者は出かけることが難しくなることを考えると理にかなっている部分はありますが、詐欺の問題やインターネットが使えないなどの問題が生じてきますので対策は必要と思います。
では、本当に地域にないと困るものはなんでしょうか?(公的なものは除く)
ガソリンスタンド、24時間営業のコンビニ、医療・介護サービス、理・美容院などでしょうか!?ときどき見かけますが何でも屋みたいなものがあると良いのかもしれません。
以上のことを考えると川尻、安登、安浦にコンビニが1つずつ、人口に合わせてガソリンスタンド、理・美容院、欲を言えば川尻、安浦にスーパーが残ってほしいですね!
私は当然、川尻を使います。ただ近年コロナ禍で感染対策の観点から理・美容院は近場を使えなかった現実もありました。
近場に必要と思うお店は是非とも地産地消を念頭にご利用されることをお勧めします。
今は車があるから川尻・安浦でなくても行けると思われているかもしれませんが、年を取れば運転もできなくなります。
逆に必要とされるお店は是非とも地元のお客さんを大事にしてほしいと思います。
地域を守れるのは地域の方々であり、一人では微力ですが個々がまとまれば大きな力となります。
自分くらいはいいだろうと一人一人が思えばまとまることは永遠になく、地域はすたれていくのだと思います。
最後に地域の産業を守るために地域を超えてアピールすることも大事なことも沢山あると思います。今は大丈夫でも10年後、30年後はどうなっているかをただ見守るのではなく作り上げていかなければならないのではないでしょうか!?
