H29.12.28ブログ

皆様、今年も公私にわたり大変お世話になりました。
良い正月を迎えられることを願っております。
 
私事ではありますが、先日私自身がインフルエンザになりました。
幸い水曜日から連休まで休ませてもらいましたが、非常勤の先生方のおかげもあり大きな混乱なく
対応させていただきました。
同時に母が転倒、骨折、手術となり、元気そうにしていますが家庭内は大騒動の週間になりました。
 
それでも最終週は通常通り、診療させていただき、年末を過ごすことが出来そうです。
 
例年より早くにインフルエンザが流行しておりますので、皆さんお気を付けください。
 
そして明るく、希望の持てる新年を迎えられることを心から願っております。
 
来年もどうぞよろしくお願いします。

20171228

 

(高麗)人参のはたらき

最近、健康ドリンクなどを自主的に購入されて健康に気を遣う方が増えてきました。
患者さんの中にも、『高麗(こうらい)人参(にんじん)』のドリンク剤を飲まれている方がいらっしゃいましたので、
今回は生薬の『人参(にんじん)』の話をしたいと思います。
 
人参と高麗人参は別モノ!
 高麗人参という名前から、野菜の人参と同じものだと認識されている人も多いのではないでしょうか?
 皆さんとなじみの深い人参はセリ科、高麗人参はウコギ科の植物なので全くの別物です。
 人参と高麗人参では含有成分が異なります。
 人参の主な成分はカロチン、ビタミンA、カリウム、食物繊維であり、
 高麗人参はサポニン、ビタミン、タンパク質、アミノ酸、炭水化物、ミネラルです。
 そして高麗人参には人参以上に栄養価が高いものですから高級品として扱われています。
 
高麗人参には別名がたくさん
 高麗人参は朝鮮人参(ちょうせんにんじん)雲州(うんしゅう)人参(にんじん)(こう)(じん)などとも呼ばれていますが、
 日本薬局方には「御種(おたね)人参(にんじん)」として記載されているのでこちらが正式名称となります。
 八代将軍・吉宗は朝鮮半島から入手した人参の種と苗を栽培した後、
 その種を各地大名に分け与えたことから“ありがたい・種”→『御種』と名がついたそうです。
 
高麗人参のもつ効果
 このような生薬の人参には次のような作用効果があります。
 1.補()()作用: 「気」を産生する胃腸系を強め、身体全体の強壮をはかります。
              例えば、下痢を止める、消化を促進、体力をつける、呼吸機能を高める、など。 
 2.生津(せいしん)作用:  熱などによって減少した体の体液(津液)を補い、口渇を止めます。
 
 
人参を含む漢方薬
 人参の滋養強壮作用を目的としている漢方薬にはほとんどの場合、『黄耆』という生薬も
 セットで含まれています。
 なぜなら黄耆は人参のもつ作用を高めるからです。
 例えば、補中(ほちゅう)(えっ)()(とう)十全(じゅうぜん)大補(たいほ)(とう)人参(にんじん)(よう)(えい)(とう)加味帰脾(かみきひ)(とう)などがこれらを含んでいます。
 この冬の時期では、風邪などの疾患で咳や倦怠感の症状がある場合に、
 鎮咳作用のある五味子(ごみし)を含んだ人参養栄湯がより適しています。
 このように、人参以外の生薬の組み合わせによっても適した処方が変わることがあります。
 気になられたら是非ご相談くださいね。

kouraininjin

H29.12.11ブログ

寒さも本番、今年も残すところ半月ほどになってきました。
忘年会や大掃除、年末業務に心身ともに気忙しいのではないでしょうか?
 
当法人でも先日、法人忘年会が行われました。
私は体調不良を理由に、企画への参加やサプライズなど準備せず、
職員からのお酌攻めを受けながらも、なんとか生き延びました。
 
それぞれに楽しんでいただけたのではないかと思いますが、
これも担当者や参加いただいた職員が作り上げてくれているからこそのものと、感謝しています。
 
当法人では様々な取り組み、行事、担当などがありますが、
今年もなんとかそれぞれ取り組みが行えたものと思います。
これらの取り組みの中には地域の方々や同業種の方々などの、ご支援ご協力もあってのことです。
多くの方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。
 
年末にかけて、体調など崩されませんようお気を付けください。

2912sugatakansya

H29.11.27ブログ

先日、川尻・安浦地域包括ケアシステムを樹立する会の初の企画で、
安浦、川尻、安芸津の介護関係者に集まっていただき、忘年会を行いました。
包括の方から積極的に出し物を披露してくださり、大変盛り上がりました。
またこれからの地域についてお酒を飲みながらざっくばらんにお話をする機会にもなりました。
 
また「介護イメージアップイベント 現役若手職員が伝える介護のお話 ~シクシクとわくわく~ 」が、
呉市社会福祉協議会の主催で行われ、当法人職員がパネリストとして参加させていただきました。
若者が介護に興味を持ってもらうことが趣旨でしたが、
学生さんや介護職に興味があってこられた方は多くなく、
現在介護をしている方々の参加が多く、元々の趣旨からは少し外れてしまった感じでしたが、
成功ばかりではないのが現実です。
 
それぞれの団体が、出来ること、すべきことを考え、模索しながら実働していくことが大切であり、
協力者が増えていくことを望みます。
これらのような機会も持ちながら、同業者だけではなく地域や多職種の方々とも連携して輪を広げ
地域を守っていければと思っています。
 
忘年会シーズンとなりますので、体調に気を付けて、
良い年が迎えられるように今から準備しておきましょう!

tiikinowa
 

咳と漢方

広島県では今、咳だけの風邪が流行っているようです。
今回は咳の病態と漢方治療について紹介します。
 
咳嗽は、気道内に侵入した(吸い込まれた)異物や貯留した分泌物を
外に排除しようとする生体の防衛反応です。
過剰な咳は止めなければいけませんが、高齢者などは誤嚥を防ぐためにも咳反射は必要になります。
使用頻度の高いのは中枢性鎮咳薬ですが、安易に用いると必要な咳をも抑制してしまうことがあります。
咳の病態は原因を見極めてそれに応じた治療が必要になってきます。
咳嗽は湿性咳嗽や乾性咳嗽といった、喀痰の有無によって分類されます。
湿性咳嗽
咳嗽のたびに喀痰を伴う
乾性咳嗽
喀痰を伴わないか、少量の粘液性喀痰のみを伴う

漢方治療は①炎症の有無、②乾性か湿性か、③喀痰は水様性か、粘稠性か、あるいは膿性か 
などを鑑別のポイントとして処方を決定します。

今回は湿性咳嗽、乾性咳嗽でファーストチョイスとされている漢方薬を紹介します。
 
①  湿性咳嗽 ~小青(しょうせい)(りゅう)(とう)
 漢方医学では、『湿』という病態は痰を伴う咳はもちろん、鼻汁、『水』による冷えなども含みます。
 このような場合、温めると改善することがあるので小青竜湯を用います。
 イメージとしては、お風呂に入ると症状が軽快する人には高い効果が得られます。
麻黄、桂皮、細辛、乾姜、五味子
温めながら余分な『水』を除き、鎮咳去痰する。
半夏
去痰作用により、水様性喀痰などを改善する。


②  乾性咳嗽 ~麦門(ばくもん)(どう)(とう)
 『乾』という病態は、気道を潤す『水(=陰)』が不足し、気道過敏や弱い炎症が発症していると考えます。
 そういった場合には『陰』を補う麦門冬湯を用います。
 感冒罹患後の咳だけが残る症状などが空咳、いわゆる乾性咳嗽です。
麦門冬、粳米、人参、甘草
気道を潤して乾性咳嗽を抑える
半夏
鎮咳・去痰作用により、気道にこびりついた痰を取り除いて鎮咳する。
 
今回は紹介しませんでしたが、炎症の強弱、喀痰の性状を見て処方を選択することがありますので、
気になられた方はぜひ相談してみてくださいね。

seki

H29.11.10ブログ

今年の秋は、すでに冬が来たかのような寒さを感じるのは私だけでしょうか?
 
先日11月5日(日)、第3回法人秋祭りが行われました。
元々10月22日(日)に予定しておりましたが、台風の接近により延期とさせていただきました。
延期する決断と参加予定の方々への対応、前日準備した物の片付けに食品などの処理と、
再びの準備など大変さを経験させていただきました。
この度関係された皆様に、
この場をお借りしてお詫びと、再びご支援ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
 
秋祭りは延期したことも有り、企画のボリュームが減りましたが、例年以上に職員の出し物が充実し、
さらにはカープの応援歌を職員で歌い上げた作品を完成披露させて頂くなど、
ご参加いただいた老若男女皆様に喜んで頂き、大きなトラブルもなく盛会に終えることが出来ました。
 
また来年もさらにより良い秋祭りを職員で創り上げていきますので、
多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
 
早いもので今年も終盤を迎えました。
風邪など引かないようにお気をつけてお過ごしください。

akimaturi2017

 

H29.10.30ブログ

突然ですが、自由とはなんでしょうか?皆さんに自由はありますか?
私は今まで自由な人間だと思っていましたが、
今更ながら本当に私は自由な人間なのだろうか?
また、自由とはどんなものなのだろうか?
と考えるようになりました。
自由な〇〇と言えば?って聞かれたら、自由な時間、自由な意見、自由な仕事、自由な場所・・・
って、なんとなくわかるのですが、自由とは?と言われると、何が自由なのだろうと感じます。
 
私自身が自由だなぁと感じるのは、意見が自由に言えることかと思っています。
様々な発想で、馬鹿正直に思いついたことを発案したり、意見したりして、
周囲の方々を巻き込んでいるからです。
 
しかし冷静に考えると、自由に仕事はできませんし、時間もほとんど制約され、
気付いたら1日が終わります。
私がどこで何をしているか必ず誰かは知っている状況でもあります。
当然に仕事柄、例え遠くに出ていても急いで帰らなければならない状況もありますし、
携帯電話で常にメールを確認しなければなりません。
ちょっとした時間があると、散髪や買い物に行くこともありますが、めったにありません。
誰かと食事に出かけることもありますが、ほぼ仕事上の付き合いが多く、
同級生や普段会えない知人と時間を合わせることは至難の業です。
 
そんな中、私なりに本気に取り組んでいるものとして、子どもの剣道があります。
私の勝手で自由にしているのだから、自由とも取れます。
ただ、剣道で多くの時間を費やすので、相当大事な予定以外は入れません。
仕事の書類整理や雑務などは翌日早朝や休みの日に行い、
子どもの剣道を最優先で取り組んできました。
 
会社員の方なら私よりもっと時間に制約があり、自由でない方も多いかと思います。
 
それだけに自由と言う言葉に誰もが心惹かれるのではないかと思います。
 
ただ、何か自由を任せられたとしても、責任をしっかりと果たし、
目標を定めてやりきること、これらは人として当然のことかと思います。
この仕事を選び、様々な取り組みをさせてもらっているだけで
ありがたいと感謝するのが良いのだろうと思いますが・・・
忙しさが増す中、心の奥で『自由がほし~い』と、正直な自分の叫びが時々聞こえてきます。(笑)

freedom
 

漢方薬によるインフルエンザ・風邪治療!

今週に入って突然寒さが増しましたね。
体温調節を適宜行い、風邪を予防しましょう。
今年はすでに川尻地区でも例年に比べて一足早くインフルエンザの発生報告がありました。
今回はインフルエンザや風邪の感染を予防・治療する漢方薬を紹介します。
 
①  予防する漢方薬 ~補中(ほちゅう)()(っき)(とう)
  新型インフルエンザの予防法としては、現在のところインフルエンザワクチンや
  抗インフルエンザ薬による予防が一般的です。
  しかし、ワクチンの接種が必ずしもインフルエンザの罹患を予防するわけではない
  ことは皆さんもご存知だと思います。
  補中益気湯は、免疫力や消化機能を高める漢方薬として知られ、虚弱体質、病後の
  体力増強、食欲不振や夏痩せなどに広く使用されています。元気をつけたり、
  免疫力の低下による易感染状態を改善してくれるお薬です。

  この漢方薬を使うとよい人というのは、毎年インフルエンザや風邪にかかってしまう人や、
  感染するとリスクが高い人(COPDや喘息のある人など)、受験生などです。
  補中益気湯は風邪やインフルエンザの回復期にみられる倦怠感などにも効果があります。
 
②  治療する漢方薬~()黄湯(おうとう)
  皆さんがよくご存知の、()(っこん)(とう)という漢方薬は風邪の引き初めに飲むお薬です。
  麻黄湯という漢方薬も使い方は非常によく似ております。

  ではどういったときに使い分けるのか。
  それは、インフルエンザのように強い感染性をもつ場合に麻黄湯を用います。
  麻黄湯は、別名:麻杏桂甘(まきょうけいかん)(とう)といい、葛根湯よりも体を温める作用が強く、
  構成生薬数も少ないのでとても効き目がシャープに現れます。
  ですので、わが国でも古くから風邪やインフルエンザなどの急性期疾患に用いられてきました。
  最近の臨床研究ではタミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬と同等の抗ウイルス作用、
  解熱作用があると認められています。

  麻黄湯は身体の免疫機能を高めてあげる働きをすることによって抗ウイルス作用を発揮するという
  ほかの薬と違った作用を持っています。
  インフルエンザなどでは関節痛や頭痛、寒気などの症状も強く出ますが、
  そのような場合に麻黄湯を併用したり、用量を増やしたりなど工夫することが可能です。
  また構成生薬の杏仁には鎮咳作用もあるので、のどの痛みにも対応しています。
 
漢方薬は風邪などの急性期疾患に非常に高い効果を示すので、是非参考にしてみてくださいね。

infuru

H29.10.10ブログ

今回は自分の事を述べてみたいと思います。
皆さんからは意外であったり、違うと思われる部分もあると思いますが、
私自身が48年生まれ育って感じていることを書いてみます。

大反響が有ることを期待しております。(笑)
 
自分を一言で言うならば「バカ」とか「極端」です。
分かりやすく言えば、
「バカ正直」「思い込んだら突き進む」「やる時はやる、やらない時はやらない」「中途半端が嫌い」
随分前にも書きましたが、小学校から大学までの間に先生や先輩、同級生からの言動で
見聞きしたことがとても自分の中に残り、最終的には「無限」という言葉にたどり着きました。
 
自分は一人であり、与えられた時間は皆さんと同じ1日24時間です。
無限なんてありえないことも理解出来ていますが、もう限界だと思った時に自分の成長は終わる。
そういう精神を多くの方々から教わりました。
自分がどのように思われようと、自分の思いは正直に示し、伝える。
出来ること、すべきことはとことんやる。
出来ないこと、すべきでないことは断る。
こうして生きてきた結果、他人を巻き込んだり、喧嘩になったり、不幸にしたり・・・
逆に幸せにしたり、人の役に立ったこともあると思います。
いずれにしても人から見てわかりやすい人でありたいと思っていますし、
信じて貰える人でもありたいと思っています。
 
理事長という立場になって、本当にバカ正直で、バカみたいに突き進んでいては組織は続きませんので、
その辺はバランスを取っているつもりですが、職員はそんなことはないと思っている人も多いかもしれません。
ただ一人ひとりの気持ちや立場を理解し、それぞれに最良の方向を導き出せればと思っています。
そうした姿勢を感じ、安心し、信頼して私に付いて来てくれる方々が増えていけばと願います。
最終的には法人理念を理解・実行出来たら、私が居なくなっても法人は繁栄していき、
必ず地域にも貢献できると思います。

それが、私の一つの願いでもあります。
 
いつまでこのような気持ちで、様々なことにチャレンジしていけるかわかりませんが、
続けていくには努力と忍耐、精神力が必要なのだと思います。
それを理解して、支援してくれる方々が地域にも増えていけばと願っております。

 sugataman

H29.9ブログ part2

最近ふと考えるのは、生活をしていく上で、昔と今とで皆さんは何が違うと思いますか?
 
私は職業柄もあるのか、手間が減り、効率的になったと思っています。
その反面、煩わしいことも増えてきたと感じます。
 
医師は学会発表や論文などを書きますが、教授、上司のチェックが入り書き直しです。
昔なら全て手書きですから、書き直しです。今ならワープロででも簡単に直せます。
とても効率的ですが、その反面昔に比べて書類作成が増えました。
手術の同意書、輸血、検査など様々です。
同意書を書いたことを確認するための同意書のようなものまで存在するとか・・・。
書式が統一され、自署が減り、出処が明らかでなくなってくる便利な世の中だからこそなのかもしれません。
 
高度なことがパソコンで出来るようになったためか、テレビやスマホ、様々な電気製品が高度化しています。
使いこなせていない現実よりも、技術の進歩が加速し、使いこなせない人には余計な機能であり、
使うのがより難しくなってきます。
昔のテレビのリモコンのボタンはスイッチとチャンネルと音量だけです。
でも今は沢山のボタンが有り、DVDなどと合体して、とても複雑になっています。
私は面倒なので、子供にチャンネルを変えてもらうようになりました。
 
スマホも変えたときは本当に不便でしたが、慣れればとても便利です。
仕事柄でも大変に役立ちます。
往診に行くナビになりますし、知らない薬や詳しくない病気を調べたり、医療機関の情報を確認したり、
書類や創を写メに記憶させたり。
とても便利ですが、保存義務やデータ漏洩の管理が必要になり、手間や費用が発生します。
 
よし悪しですが、本当は便利でない時代のほうが、報連相やコミュニケーションが出来ていたように思います。
便利を知ると昔には戻れませんが、科学が進めば進むほど、世界平和が揺いでくるようにも思います。
 
皆さんはいつ頃が良かったですか? 

 mukashitoima