夏バテについてⅡ
もうそろそろ梅雨明けしそうですね!
今年は猛暑が予想されていますし、コロナウイルス感染症の影響で
マスクをつけることも多いと思いますので例年以上に熱中症に注意しましょう!
元気の「気」は、漢方では「気・血・水」の「気」にあたり、健康の源の重要な一要素と考えます。
まずはその「気」について紹介します。
「気」には「先天の気」と「後天の気」とあります。
「先天の気」とは親から授かったもので、「腎」に宿ると考えられています。
つまり成長(老化)とともに減っていってしまうものです。
それを補うのが「後天の気」で、消化・吸収、呼吸から得られ、「脾や肺」に宿ると考えられてきました。
その「気」が不足してくると「気虚」という病態を呈してくる訳です。
「気虚」という病態の診断基準をお示しします。
気虚の診断基準
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身体がだるい
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10
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眼光・音声に力がない
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6
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気力がない
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10
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舌が淡白紅・腫大
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8
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疲れやすい
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10
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脈が弱い
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8
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日中の眠気
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6
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腹力が軟弱
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8
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食欲不振
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4
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内臓のアトニー症状
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10
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風邪を引きやすい
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8
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小腹不仁
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6
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物事に驚きやすい
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4
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下痢傾向
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4
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判定基準 : 総計30点以上を気虚とする。いずれも顕著に認められるものに該当
するスコアを全点与え、程度の軽いものには各々の1/2を与える。
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気虚の治療には、補脾(補中)という考え方をします。
その代表が以前紹介しました、補中益気湯ということになります。
現代では、経管栄養とか便利な方法もありますが、栄養を取ることはできても元気は出ません。
漢方では、口から栄養を取るということを非常に重要視してきた訳です。
食事を味わい、楽しむということは単に空腹を満たす、栄養を取るということ以上に元気を与えてくれます。
暑さで食欲が落ちる季節だからこそ、食事を大切にして下さい。
料理を工夫し、夏の食材を楽しみましょう。