広島県では梅雨が明けて以降、連日猛暑が続いています。
夏バテ・熱中症はもちろんですが、こむら返りを起こしやすい時期でもあります。
特に夏場は、炎天下の中で労働されている人が水分や電解質の補給を怠った際に
攣りやすくなる、また、プールなどに行って足を攣ってしまう等、
色々な場面で遭遇します。
そのような事態に役に立つ漢方薬は芍薬甘草湯です。
漢方薬は効果が現われるのが遅いというイメージがありますが、
芍薬甘草湯は即効性が期待出来ます。
漢方薬の中には急性期に適している処方があります。
その判断材料となるのが、構成生薬の数です。
一般的には7つの生薬以下のものは比較的早く効果が現われるといわれています。
したがって、芍薬甘草湯は芍薬と甘草の2味で構成されているので
比較的即効性があるとイメージできます。
また、芍薬甘草湯は特に頻用されている漢方薬ですので
西洋医学的にも即効性があるという事が研究で明らかになってきています。
特にふくらはぎの痙攣には約4分程度で効果があるというデータが出ています。
しかし、それ程キレ味の良い漢方薬には服用においての注意が存在します。
甘草という生薬です。
これは漢方薬のおおよそ7割に含まれており、また、身近な食品にも甘味料として
使われています(醤油、スナック菓子)。ですので、知らず知らずのうちに沢山摂取して
しまっている危険性があるのです。
甘草は低カリウム血症の発現要因ですので、十分な観察が必要となってきます。
低カリウム血症を引き起こしやすいとされている、ご高齢の方、女性、甘草含有漢方薬の
長期的な服用には注意し、定期的な血液検査のチェックや初期症状を見逃さないように
心がけましょう。
※初期症状…全身倦怠感、脱力感、血圧上昇、浮腫 等
芍薬甘草湯は即効性もあり効果が期待できる漢方薬ですので、正しく服用。
漫然的に服用するのではなく、
攣った時・攣りそうなときに服用する、夜眠る前に1包飲むなどの工夫が必要です。
お困りの患者さんはぜひ、ご相談下さい!