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R6.1.14ブログ

昨年は地域包括ケアシステムについて述べてきました。 

この意識は地域を守り・創るためにはとても必要なことです。これについてはまたいつか取り上げていきますが、今年は違った視点で「争い」について述べていこうと思います。

「争い」とは「戦争」は勿論ですが、社会や学校でも「争い」は様々にあり、目線を変えれば受験も「争い」です。「争い」にも色々あり、場合によっては必要な「争い」もあるのかなと思います。

さて、その第1弾として一番述べたい「争い」は、個人の欲から生じる「争い」です。その中でも考えたいのは、組織(団体)が前進していくために必要な「争い」と不必要な「争い」です。

組織を良くしていきたいと考え実行し、ライバル意識を持ったり、より良いものを取り組むために行う議論は「争い」でも必要なものではないかと思います。

しかし組織を後退させ、結果が伴わない嫉妬や否定からの考えから出てくる「争い」は不必要なものであり、何も生まないものだと感じます。

日曜劇場にて【下剋上球児】がありました。監督がスターティングメンバーを発表したとき、選手たちは不信感を抱きました。しかし信じた監督が考えがあってそうしているのだから、自分たちは自分たちのできる準備をしておこうとする場面がありました。まさにワンチームであり、地域包括ケアシステムを創りあげるためにも、組織(団体)が向上していくためにも最も大事な考え方だと思います。

個人の考えが通らないとき、間違っていると思っていることを組織が進もうとしているときに意見も出さず協力もせず、争うことは何も生まないと思います。

違うと思うことに意見もせず聞き入れろと言っているわけではありません。

良くしたいという気持ちを持った者同士が意見討論する「争い」は大事ですし、先導するものは協力・同意してもらえるように説明し、目指すところを示していくことが大事なのだと思います。

嫌いだから、間違っているからではなく、組織(団体)にとって必要なのか、必要であれば自分には何が出来るのかを考えて取り組む姿勢が必要なのだと思います。

本年も前向きに、何か良いことが起こるように多くの方々が活きていけることを願います。

本年もどうぞよろしくお願いします。

(高麗)人参のはたらき、効果について

最近は健康に気を遣い健康ドリンクなどを自主的に購入される方が増えてきたように思います。TVのCMの影響もあるのでしょう!!

患者さんの中に『高麗人参 (こうらいにんじん)』のドリンク剤を飲まれている方がいらっしゃいましたので、今回は生薬の『人参(にんじん)』の話をしたいと思います。

★人参と高麗人参は別モノ!

高麗人参という名前から、野菜の人参と同じものだと認識されている人も多いのではないでしょうか?皆さんとなじみの深い人参はセリ科、高麗人参はウコギ科の植物なので全くの別物です。人参と高麗人参では含有成分が異なります。人参の主な成分はカロチン、ビタミンA、カリウム、食物繊維であり、高麗人参はサポニン、ビタミン、タンパク質、アミノ酸、炭水化物、ミネラルです。そして高麗人参には人参以上に栄養価が高いものですから高級品として扱われています。

★高麗人参には別名がたくさん

高麗人参は朝鮮人参(ちょうせんにんじん)、雲州人参 (うんしゅうにんじん)、紅参 (こうじん)などとも呼ばれていますが、日本薬局方には「御種人参(おたねにんじん)」として記載されているのでこちらが正式名称となります。八代将軍・吉宗は朝鮮半島から入手した人参の種と苗を栽培した後、その種を各地大名に分け与えたことから“ありがたい・種”→『御種』と名がついたそうです。

★高麗人参のもつ効果

このような生薬の人参には次のような作用効果があります。

1.補気(ほき)作用: 「気」を産生する胃腸系を強め、身体全体の強壮をはかります。例えば、下痢を止める、消化を促進、体力をつける、呼吸機能を高める、など。

2. 生津(せいしん)作用:熱などによって減少した体の体液(津液)を補い、口渇を止めます。

人参を含む漢方薬

人参の滋養強壮作用を目的としている漢方薬にはほとんどの場合、『黄耆』という生薬もセットで含まれています。なぜなら黄耆は人参のもつ作用を高めるからです。例えば、

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)

などがこれらを含んでいます。

この冬の時期では、風邪などの疾患で咳や倦怠感の症状がある場合に、鎮咳作用のある五味子(ごみし)を含んだ人参養栄湯がより適しています。このように、人参以外の生薬の組み合わせによっても適した処方が変わることがあります。気になられたら是非ご相談くださいね。

R5.12.17ブログ

今年も残すところ2週間をきりました。寒さも厳しくなってきますので、お気をつけて年越しに備えてください。

さて、これまで地域包括ケアシステムについて様々な視点からお知らせしてきましたが、そろそろネタも尽きてきそうなので最後にしようと思います。あくまで私の概念であり、違うとお叱りを受けるかもしれませんが、たつき会の今後も踏まえてお伝えします。

今後地域で最も問題になるのは人手不足です。

そして団魂の世代が後期高齢者になられ介護サービスを十分に受けられない地域も増えていきます。さらには最期を迎える場所も希望に添えない状況も出てくると感じます。

そうしたことをできるだけ解消するには、共生と統合で事業を大規模化することです。

小規模の良いところは当然にあり、ダメだと言っているわけではありません。しかし、デイサービスでは50人の利用者を10人の職員でみることは可能でしょうが、10人の利用者を2人の職員でみることは困難だと思います。

そうした視点をもって地域を残していかなければ、結果的には必要な業種が無くなっていくのだろうと思います。できれば切磋琢磨しあえる状況があるべきなので、様々な業種が1つになるよりはどの業種も一定数残るべきだと思います。

こうしたことを行政や地域の方々が意識すべきで、サービスの質が悪ければ廃業されるか吸収合併されるべきです。より良いところが生き残っていくことが地域のためになるので、当然たつき会はより良いサービスで安心安全の医療と介護を提供し続けなければならないと考えています。

しかしながらすべての方にとって満足いただける医療や介護を提供することは困難であり、全ての職員が高いレベルの医療や介護を提供することも難しい現実もありますが、理想を求め続け諦めないことが大切だと思います。

すでに共生・統合は医療や介護だけでなく、様々な業種で始まっております。地域のことを考えて取り組まれている企業を応援していかなければならないのではないかと考えています。

選ばれるたつき会になるように、来年より新たなスタートをきる予定です。

たつき会の永続のためには一人の個人に求心力が集まることは好ましくないと考えます。たつき会の理念が求心力となり、理念に沿って一人ひとりの職員が仕事をすることが大切だと思います。

よって来年からは理事長として私は実権を放棄し職員に任せていくことを、職員に伝えました。最初は不安や失敗も多くなると思いますが、私が居なくなってもたつき会がより良い組織として永続するために様々なことに取り組んでまいります。

関わっていただいた全ての皆様に感謝し、これからのたつき会も応援していただければ幸いです。

皆様が慌ただしい年末を体調崩さず過ごされ、元気に明るく新年を迎えられますことを願っております。

痛みに効果の期待できる漢方薬

痛みに対する専門家はペインクリニックと呼ばれ、主に麻酔科に所属する先生方が担っていますが、一般には町のお医者さんとしては少ないのが現状です。

腰が痛い、肩が痛いといって皆さんが受診されるのは整形外科が多いのではないでしょうか?

例えば階段から落ちて腰を打ったという痛みがあります。骨折していなければ、湿布、さらに鎮痛薬が処方されて安静の指示が出てそれでおおよその診療は終わりです。

そこで漢方の出番なのですが、そんな痛みに漢方が効くの?って思われるかもしれませんが、歴史を振り返ってみますと、江戸時代、世界で最初に乳癌のオペに成功した華岡青洲 (はなおかせいしゅう)が麻酔薬として使ったのは、実は「通仙散(つうせんさん)」という漢方薬なのです。

それで普通は痛みは消えていくのですが、数週間たっても痛みが消えずお困りの方もいらっしゃいます。

さて打撲の初期は痛く腫れて熱を持ちますがそれがだんだん冷えていきます。

お風呂に入ると痛みが楽になる。そういう方はまさに漢方薬が適応します。

冷えて痛む時は、附子剤(ぶしざい)の出番です。

附子(ぶし)という生薬は、生薬の中でも最も温める作用が強く、鎮痛作用を持った生薬です。打った、捻ったという痛みが長引いた時、具体的には、治打撲一方 (ぢだぼくいっぽう)と附子末、あるいは治打撲一方と桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)という組み合わせがよく効きます。

西洋医学では冷えに対する対処法がありませんが、漢方では冷えを改善する手段があります。ですから冷えのある痛みに対しては漢方の方が優れているのです。

腰下肢痛の場合、いわゆるぎっくり腰なら芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)と桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、あるいは、治打撲一方と疎経活血湯(そけいかっけつとう)の組み合わせ。

高齢者なら八味地黄丸(はちみじおうがん)と桂枝茯苓丸、少し浮腫がみられれば牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)と桂枝茯苓丸の組み合わせが有効です。

帯状疱疹後神経痛では麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)などが効きますが、じっとしていれば痛みはないが、少し触れただけ、風が吹いただけでも痛みを感じるアロディニアという状態に対して、神経周囲組織が炎症後に乾いた状態になっていると考え、そこを潤してやろうという漢方薬、六味丸(ろくみがん)と麦門冬湯(ばくもんどうとう)の組み合わせが不思議なほど効果的です。

急に寒くなってきたので、冷えると痛いなどでお困りの方はご相談下さい。

夜中のおしっこが気になる方へ

今回は夜中にトイレで目が覚める、夜間頻尿でお困りの方いらっしゃいませんか?

今回は「排尿障害に有効な漢方薬」についてお話します。

まず挙げられるのは、おしっこのトラブル専用のお薬、猪苓湯 (ちょれいとう)です。これは下腹部辺りに熱候がある(つまり炎症がある)膀胱炎のファーストチョイスとされています。

頻尿や残尿感、排尿痛など尿路不定愁訴に幅広く用いられます。慢性的に症状の続く人、繰り返す人には似たお薬で猪苓湯合四物湯 (ちょれいとうごうしもつとう)が用いられることもあります。さらに炎症が強ければ竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などが用いられます。

次に挙げられるのが八味地黄丸(はちみじおうがん)です。

漢方的なお腹の所見では、下腹部が軟弱で下半身が冷えるタイプの排尿異常に用いられます。老化に伴っておしっこが出にくくなったり、頻尿となったりするという方が増えてきますが、そんな方のお薬です。女性にももちろん使われるのですが、男性では前立腺肥大症のファーストチョイスです。

似たお薬に牛車腎気丸 (ごしゃじんきがん)があります。

これは八味地黄丸に利尿作用のあるゴシツ・シャゼンシを加え、体を温めたり、鎮痛作用のある附子の量が倍になり、胃腸にもたれる地黄の量が少なくなっていますので、ある意味では八味地黄丸の作用を増強し、マイルドにしたお薬です。

漢方専門施設の統計では、男性では60歳代、女性では80歳代をピークに、3人に1人にはこの類のお薬が使われていたほどポピュラーなお薬です。実はハルンケアは八味地黄丸がベースとなっています。

最後に紹介するのが清心蓮子飲(せいしんれんしいん)です。

これは気虚の状態で、疲労感があったり、抑うつ傾向があったり、逆にイライラしたりするなど神経過敏な状態の方に適しています。また、八味地黄丸が胃にもたれて飲めないという人にも適応します。ユリナールはこの清心蓮子飲がベースとなっています。

夜間2回以上、おしっこに起きてつらい方、市販のお薬の違いについて少しは理解いただけたでしょうか?

熱感があれば猪苓湯、下肢に冷感があって胃腸が丈夫なら八味地黄丸、胃腸が弱い人には清心蓮子飲となります。

最後に膀胱炎では、抗生剤が必須となりますので、恥ずかしがらずにまずはご相談下さい。