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(高麗)人参のはたらき
最近、健康ドリンクなどを自主的に購入されて健康に気を遣う方が増えてきました。
患者さんの中にも、『高麗人参』のドリンク剤を飲まれている方がいらっしゃいましたので、
今回は生薬の『人参』の話をしたいと思います。
人参と高麗人参は別モノ!
高麗人参という名前から、野菜の人参と同じものだと認識されている人も多いのではないでしょうか?
皆さんとなじみの深い人参はセリ科、高麗人参はウコギ科の植物なので全くの別物です。
人参と高麗人参では含有成分が異なります。
人参の主な成分はカロチン、ビタミンA、カリウム、食物繊維であり、
高麗人参はサポニン、ビタミン、タンパク質、アミノ酸、炭水化物、ミネラルです。
そして高麗人参には人参以上に栄養価が高いものですから高級品として扱われています。
高麗人参には別名がたくさん
高麗人参は朝鮮人参、雲州人参、紅参などとも呼ばれていますが、
日本薬局方には「御種人参」として記載されているのでこちらが正式名称となります。
八代将軍・吉宗は朝鮮半島から入手した人参の種と苗を栽培した後、
その種を各地大名に分け与えたことから“ありがたい・種”→『御種』と名がついたそうです。
高麗人参のもつ効果
このような生薬の人参には次のような作用効果があります。
1.補気作用: 「気」を産生する胃腸系を強め、身体全体の強壮をはかります。
例えば、下痢を止める、消化を促進、体力をつける、呼吸機能を高める、など。
2.生津作用: 熱などによって減少した体の体液(津液)を補い、口渇を止めます。
人参を含む漢方薬
人参の滋養強壮作用を目的としている漢方薬にはほとんどの場合、『黄耆』という生薬も
セットで含まれています。
なぜなら黄耆は人参のもつ作用を高めるからです。
例えば、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯、加味帰脾湯などがこれらを含んでいます。
この冬の時期では、風邪などの疾患で咳や倦怠感の症状がある場合に、
鎮咳作用のある五味子を含んだ人参養栄湯がより適しています。
このように、人参以外の生薬の組み合わせによっても適した処方が変わることがあります。
気になられたら是非ご相談くださいね。
H29.12.11ブログ
寒さも本番、今年も残すところ半月ほどになってきました。
忘年会や大掃除、年末業務に心身ともに気忙しいのではないでしょうか?
当法人でも先日、法人忘年会が行われました。
私は体調不良を理由に、企画への参加やサプライズなど準備せず、
職員からのお酌攻めを受けながらも、なんとか生き延びました。
それぞれに楽しんでいただけたのではないかと思いますが、
これも担当者や参加いただいた職員が作り上げてくれているからこそのものと、感謝しています。
当法人では様々な取り組み、行事、担当などがありますが、
今年もなんとかそれぞれ取り組みが行えたものと思います。
これらの取り組みの中には地域の方々や同業種の方々などの、ご支援ご協力もあってのことです。
多くの方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。
年末にかけて、体調など崩されませんようお気を付けください。
H29.11.27ブログ
先日、川尻・安浦地域包括ケアシステムを樹立する会の初の企画で、
安浦、川尻、安芸津の介護関係者に集まっていただき、忘年会を行いました。
包括の方から積極的に出し物を披露してくださり、大変盛り上がりました。
またこれからの地域についてお酒を飲みながらざっくばらんにお話をする機会にもなりました。
また「介護イメージアップイベント 現役若手職員が伝える介護のお話 ~シクシクとわくわく~ 」が、
呉市社会福祉協議会の主催で行われ、当法人職員がパネリストとして参加させていただきました。
若者が介護に興味を持ってもらうことが趣旨でしたが、
学生さんや介護職に興味があってこられた方は多くなく、
現在介護をしている方々の参加が多く、元々の趣旨からは少し外れてしまった感じでしたが、
成功ばかりではないのが現実です。
それぞれの団体が、出来ること、すべきことを考え、模索しながら実働していくことが大切であり、
協力者が増えていくことを望みます。
これらのような機会も持ちながら、同業者だけではなく地域や多職種の方々とも連携して輪を広げ
地域を守っていければと思っています。
忘年会シーズンとなりますので、体調に気を付けて、
良い年が迎えられるように今から準備しておきましょう!
咳と漢方
広島県では今、咳だけの風邪が流行っているようです。
今回は咳の病態と漢方治療について紹介します。
咳嗽は、気道内に侵入した(吸い込まれた)異物や貯留した分泌物を
外に排除しようとする生体の防衛反応です。
過剰な咳は止めなければいけませんが、高齢者などは誤嚥を防ぐためにも咳反射は必要になります。
使用頻度の高いのは中枢性鎮咳薬ですが、安易に用いると必要な咳をも抑制してしまうことがあります。
咳の病態は原因を見極めてそれに応じた治療が必要になってきます。
咳嗽は湿性咳嗽や乾性咳嗽といった、喀痰の有無によって分類されます。
湿性咳嗽
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咳嗽のたびに喀痰を伴う
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乾性咳嗽
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喀痰を伴わないか、少量の粘液性喀痰のみを伴う
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漢方治療は①炎症の有無、②乾性か湿性か、③喀痰は水様性か、粘稠性か、あるいは膿性か
などを鑑別のポイントとして処方を決定します。
今回は湿性咳嗽、乾性咳嗽でファーストチョイスとされている漢方薬を紹介します。
① 湿性咳嗽 ~小青竜湯~
漢方医学では、『湿』という病態は痰を伴う咳はもちろん、鼻汁、『水』による冷えなども含みます。
このような場合、温めると改善することがあるので小青竜湯を用います。
イメージとしては、お風呂に入ると症状が軽快する人には高い効果が得られます。
麻黄、桂皮、細辛、乾姜、五味子
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温めながら余分な『水』を除き、鎮咳去痰する。
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半夏
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去痰作用により、水様性喀痰などを改善する。
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② 乾性咳嗽 ~麦門冬湯~
『乾』という病態は、気道を潤す『水(=陰)』が不足し、気道過敏や弱い炎症が発症していると考えます。
そういった場合には『陰』を補う麦門冬湯を用います。
感冒罹患後の咳だけが残る症状などが空咳、いわゆる乾性咳嗽です。
麦門冬、粳米、人参、甘草
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気道を潤して乾性咳嗽を抑える
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半夏
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鎮咳・去痰作用により、気道にこびりついた痰を取り除いて鎮咳する。
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今回は紹介しませんでしたが、炎症の強弱、喀痰の性状を見て処方を選択することがありますので、
気になられた方はぜひ相談してみてくださいね。
H29.11.10ブログ
今年の秋は、すでに冬が来たかのような寒さを感じるのは私だけでしょうか?
先日11月5日(日)、第3回法人秋祭りが行われました。
元々10月22日(日)に予定しておりましたが、台風の接近により延期とさせていただきました。
延期する決断と参加予定の方々への対応、前日準備した物の片付けに食品などの処理と、
再びの準備など大変さを経験させていただきました。
この度関係された皆様に、
この場をお借りしてお詫びと、再びご支援ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
秋祭りは延期したことも有り、企画のボリュームが減りましたが、例年以上に職員の出し物が充実し、
さらにはカープの応援歌を職員で歌い上げた作品を完成披露させて頂くなど、
ご参加いただいた老若男女皆様に喜んで頂き、大きなトラブルもなく盛会に終えることが出来ました。
また来年もさらにより良い秋祭りを職員で創り上げていきますので、
多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
早いもので今年も終盤を迎えました。
風邪など引かないようにお気をつけてお過ごしください。