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漢方医学の概論を学ぼう!

これまでは漢方薬について多く取り上げてきましたが、今回からその基となる漢方医学の概論や歴史に
ついて紹介していきたいと思います。
このコラムをご覧になっている皆様の中には、漢方医学が中国のものだと思われている方もいらっしゃる
かもしれません。
しかし漢方医学は、我が国独自で発展した医学なのです。yakuzaishi
 
1.漢方医学とはなにか?
 漢方医学は中国が起源の伝統医学ではありますが、中国から直接あるいは
朝鮮半島経由で伝来し、日本で独自の発達を遂げたものです。
中国を起源とする伝統医学は他にもあり、現在の中国では中医学、
韓国では韓医学、そして日本では漢方医学、と呼び方にも違いがあります。
江戸中期になると、オランダ医学(現在でいう西洋医学)が伝来し、
オランダを表す略字「蘭」の字を用いて蘭方と呼ばれるようになりました。
もともとは漢方医学という呼称は存在しませんでしたが、そういった歴史が
あったため従来の医学と区別をつけるために「漢方医学」と呼ばれるように
なったのです。
 ※「方」とは:元来、不老長寿の術を指し、その意が転じて薬の処方も指すようになった
 
2.西洋医学との違い
 西洋医学が自然科学を基盤にして進化してきたのに対し、漢方医学は、古代中国の哲学思想と集積された
臨床経験を基盤に発達してきたため、両者は様々な点で異なります。
表のように、漢方薬は色々な生薬が組み合わさって出来る複合成分であるため、
作用機序(さようきじょ)を解明しづらい部分はありますが、作用はマイルドで副作用も少ないという特徴があります。
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3.漢方医学をなぜ活用するのか
 表にまとめてみましたが、この他にも最近は漢方薬の薬理作用が科学的に証明されはじめてきたため、
医師が安心して使える環境が整ってきたという意見もあります。
 
今後は、西洋医学と漢方医学の互いの強みと弱みを補い合った医療体系がさらに普及していけばよいと思います。
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気候もカープも暑く、熱く!!

盆が過ぎましたが、気候もカープも暑く、熱い日が続きます!
暑さに慣れても、積み重なった疲労が出やすくなっていることと思いますので、皆さん油断せず、体調管理に努めてください。
 
さて、今回はお盆休みに付いて述べてみたいと思います。
皆さんは何日、お休みでしたか?休みが無かった方もいらっしゃるかもしれませんね!?
 
菅田医院は13日~16日までの4日間、週休2日のところから見れば実質は2日間となります。
総合病院など職員さんはある程度休みを交代で取られますが、病院自体に休みはありません 。
こういった会社もあると思います。
 
また今回の盆休みには、山の日をからめて休暇を取られた方もいらっしゃるでしょう。
山の日の由来をラジオで聞いていましたが、その中で平均気温をグラフにすると、ちょうど山の形になり
11日がちょうどグラフの山の頂上、真ん中だそうです。
言い換えれば一番暑い日とも言えますが・・・
 
少しずつ、祝日が増えていますが、有意義に過ごせている人は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?
 
暑い暑いと思っていたら、あっという間に冬が来る!?
先日患者さんが「もう正月じゃ!」と言われて、まだまだ冬は来ん!と言いましたが、
気付いたら本当に冬になっているかもしれませんね!
 
いずれにしましても残暑厳しい日がもうしばらく続くものと思いますので、お身体ご自愛ください。

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夏場こそ「こむら返り」に注意!

呉市では34℃~36℃の猛暑が続いています。
この季節は夏バテ・熱中症はもちろん、こむら返りを起こしやすいといった危険性もあります。
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特に夏場は、炎天下の中で労働されている人が水分や電解質の補給を怠った際に攣りやすくなる、
また、海水浴・プールなどに行って足を攣ってしまう等、色々な場面で遭遇することでしょう。
 
そのような事態に使って頂きたいのが芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)という漢方薬です。
漢方薬は効果が現われるのが遅いというイメージがありますが、芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)は即効性が期待出来ます。
漢方薬の中には急性期に適している処方があります。その判断材料となるのが、構成生薬の数です。
 
一般的には7つの生薬(=7味)以下のものは比較的早く効果が現われるといわれています。
したがって、芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)は芍薬と甘草の2味で構成されているので比較的即効性があるとイメージ出来るでしょう。
また、芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)は特に頻用されている漢方薬ですので西洋医学的にも即効性があるという事が研究で明らかになってきています。
こむら返りの中でも、特にふくらはぎの痙攣には約4分程度で効果があるというデータが出ています。
 
しかし、それ程キレ味の良い漢方薬には服用においての注意が存在します。甘草という生薬です。
これは漢方薬のおおよそ7割に含まれており、また、身近な食品にも甘味料として使われています(醤油、スナック菓子、タバコ等)。
ですので、知らず知らずのうちに沢山摂取してしまっている危険性があるのです。
甘草は低カリウム血症の発現要因ですので、十分な観察が必要となってきます。
低カリウム血症を引き起こしやすいとされている、ご高齢の方女性、甘草含有漢方薬の長期的な服用には注意し、
定期的な血液検査のチェックや初期症状を見逃さないように心がけましょう。
 ※初期症状…全身倦怠感、脱力感、血圧上昇、浮腫 等
 
芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)は即効性もあり効果が期待できる漢方薬ですので、正しい服用方法で使って頂きたいものです。
漫然的に服用するのではなく、攣った時・攣りそうなときに服用する、夜眠る前に1包飲むなどの工夫が必要です。
また、芍薬甘(しゃくやくかん)(ぞう)(とう)の服用をやめるとこむら返りが起こってしまって困るというような方は、
末梢の血流が悪くなっていることが原因になっている可能性があるので()(けい)(かっ)(けつ)(とう)のような血流改善の漢方薬に変えてみてもよいかもしれません。

モイストゥンドヒーリング-湿潤療法

大変にお待たせしました!?
以前からお伝えしてきたのですが、この度長年当院が取り組んできた湿潤治療のページを
ホームページに立ち上げましたのでご報告申し上げます。 
詳細につきましてはホームページをご覧いただければと思いますが、
今回から症例提示などを行っていく予定です。

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 ← たつき会ホームページ右側にある
    ココをクリック!



まだまだ始まりであり、今のところ開設したばかりですが、
これまでため込んだものがありますので徐々に症例を増やしていきたいと思います。
 
また症例提示におきましては外傷の写真ですので
苦手な方はご覧にならない方が良いかと思います。
 
現在ではほぼ常識となってきたこの治療ですが、当院では広まる前から取り組んできた治療法です。
ご自宅などでも出来ますので取り組んでみてください。

夏の暑さに負けない!

7月に入り、熱中症になる人が増えています。
すでに、広島県内においておよそ400人の患者さんが救急搬送されているという現状です。
梅雨の明けていない高温多湿のこの時期では、熱中症への警戒がより必要です。
「まだ大丈夫!」と無理をせずに、水分補給と暑さを避ける対策を小まめにして下さいね。 
しかし、それでも体調不良を避けられない場合があります。
そんな時に力になってくれるのが『補中(ほちゅう)(えっ)()(とう)』、『清暑(せいしょ)(えっ)()(とう)』という漢方薬です。
この時期になると毎年決まって体調を崩す方、既に夏バテ傾向にある方必見です!                       
 
1.補中(ほちゅう)(えっ)()(とう)
「中(胃腸機能)を補い、元気を益す」というネーミングの漢方薬です。
胃腸機能が低下して倦怠感を訴え、免疫力も低下している場合によいとされます。
もともと体力のない方が暑い夏を乗り越えていただくための処方です。
暑さで微熱・寝汗が出てきたら処方するタイミングとなります。
だるい、疲れた、しんどい等の倦怠感や、食べる気も起らないといった場合に使用してみて下さい。
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2.清暑(せいしょ)(えっ)()(とう)
上述した補中益気湯がベースとなり、「暑さを清めて元気を益す」という夏に特化した漢方薬です。
通常は普通に過ごすことが出来る方が、暑いために体調を崩した時に使う処方です。
麦門冬、五味子が体に足りない水分を補い、黄柏が火照った体を冷まします。
また、夏に沢山水分を取ってお腹が冷えて下痢をしてしまう場合に対しても効果が期待出来ます。
真夏に肉体労働者の方々に協力を頂いて行われた報告では、肉体労働時の体温上昇を軽減しています。
じっとしていても汗がジクジク出る、のどが渇く、下痢をしやすいと言った場合に使用してみて下さい。
 
点滴をしてもなかなかだるさが取れないといった場合に対しても、この2つの漢方薬をどちらか飲めばスッキリすることでしょう。
夏の季節には上手く漢方薬を利用してみて下さいね。

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