R5.7.15ブログ

梅雨も明け、夏本番ですが今年の夏はさらに厳しく、暑くなると台風の巨大化も心配です。

さて、世間ではコロナ感染者増加も夏祭りなど例年の行事が復活しているとの情報を見聞きします。我々にとっては複雑な心境ですが、懐かしく平時に戻りつつあることは嬉しいことです。

そのような中で今後の地域包括ケアシステムをどう構築していくかですが、私は以前からタイミングのずれという課題を感じています。

私で言うと、子供が小学生の頃はPTA役員、PTA活動や地域活動にも積極的に参加しておりました。その頃はいかに多くの方々を巻き込むかということが大きな課題でしたが、子供が卒業・入学といったタイミングで人が入れ替わり大きな力となれず疲弊している現状があるのではないでしょうか?

また川尻安浦に法人事業所を持つ者として将来この地域のためにどうするべきか考え続けてきましたが、少しずつ軌道に乗り始めたと思っていた矢先、コロナ禍により活動がストップしリセットさせられてしまった状況があります。

PTAだけでなく青年協議会や老人クラブ、自治会、子ども会など様々な取り組みをされている団体があります。これらは現実地域の人口減少でマンパワーは低下しているところが少なくないと思います。

しかしながらそんな中でも、子供のためにと活動を熱心に取り組まれているグループや個人はおられます。これらを結び付けて少しでも大きな力で地域の活性化、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいくべきだと思うのですが、なかなか良い手段が見つかりません。

賛同してくれる方々でまずは同じ方向に向かって取り組んでいけると良いのだろうと思います。

できるだけ協力支援して参りますのでお声掛けいただけると幸いです。

夏バテしたくないですよね!

 7月に入り、全国的に暑さが厳しくなってきました。まだ梅雨明けしていない高温多湿のこの時期では、熱中症への警戒がより必要になります。「まだ大丈夫!」と思わずに、水分補給と暑さを避ける対策、エアコンなども上手く使いましょう。

今の暑さを考えれば、十分な対策をとっても体調不良が避けられない場合があります。そんな時に役に立つ漢方薬が『補中益気湯』、『清暑益気湯』です。この時期になると毎年決まって体調を崩す方、既に夏バテ傾向にある方にはぜひ、試していただきたい漢方薬です。

補中益気湯

「中(胃腸機能)を補い、元気を益す」というネーミングの漢方薬です。胃腸機能が低下して倦怠感を訴え、免疫力も低下している場合によいとされます。もともと体力のない方が暑い夏を乗り越えて頂くための処方です。暑さで微熱・寝汗が出てきたら処方するタイミングとなります。だるい、疲れた、しんどい等の倦怠感や、食べる気も起らないといった場合に使用してみて下さい。

清暑益気湯

上述した補中益気湯がベースとなり、「暑さを清めて元気を益す」という夏に特化した漢方薬です。通常は普通に過ごすことが出来る方が、暑いために体調を崩した時に使う処方です。麦門冬、五味子が体に足りない水分を補い、黄柏が火照った体を冷まします。また、夏に沢山水分を取ってお腹が冷えて下痢をしてしまう場合に対しても効果が期待出来ます。真夏に肉体労働者の方々に協力を頂いて行われた報告では、肉体労働時の体温上昇を軽減しています。じっとしていても汗がジクジク出る、のどが渇く、下痢をしやすいと言った場合に使用してみて下さい。

点滴をしてもなかなかだるさが取れないといった場合に対しても、この2つの漢方薬をどちらか飲めばスッキリすることでしょう。暑い夏を乗りきるためにこの漢方薬を利用してみて下さいね。お困りに方はぜひ、ご相談下さい。

R5.6.15ブログ

 世界では様々な推移が出ています。皆さんにとってなじみがあるのは人口推移ではないでしょうか?2050年には日本の人口は何人になるなど耳にされたことがある方は少なくないと思います。「だから何?」とピンとこない方も多いのかもしれません。

 これまでに何度も人口減少や少子化などの問題点を書かせていただきましたが、今回は我々の業界に特化した推計についてお伝えしたいと思います。

 地域にもよりますが特に広島を中心にお伝えしますと、すでに後期高齢者の人口増加は緩やかになり外来患者さんは減少傾向にあります。

 裏を返して言えば、今後外来対応医療機関は少しずつ必要なくなるということです。

 しかしながら在宅診療(往診)は2040年までは減少しないと言われています。呉に限定するともう少し早くに減少し始めるのかもしれませんが、まだしばらくは増加していきます。

 川尻には外来対応医療機関は比較的多くありますが、在宅診療(往診)の対応をされる医療機関はわずかです。

 そのため当院が在宅診療(往診)に力を入れなければ地域の方々が困る状況であり、私の外来時間を減らして在宅診療(往診)に対応しなければならなくなっているのが現状です。

 現在、学校医・医師会病院の非常勤医師・産業医・ワクチン接種など外来診療だけでない業務も行っており、外来枠を減らしても在宅患者さんは増えつつあり、受け入れられる時間は無くなってきている状況もあります。

 こうした推計を考えながら時代を先取りしてこれまで20年以上地域医療に携わらせていただいております。

 医療については上記に述べましたので、続いて介護事業について簡単に今後の見込みをお伝えしておきます。

 居宅(ケアマネ)はしばらく必要度が増し続けます。通所は今後、少しずつ利用者が減少してくると思われます。

 短期入所や入居施設はまだまだ増加していきますが、呉市は今後医療機関の病床整備が大きく変化するだろうと推測され増加しない可能性も十分に考えられます。

 訪問看護・訪問リハビリ・訪問介護(ホームヘルプ)はもうしばらく増加していきますが、入院や入居が増えていくことから10年後くらいから減少傾向になっていくものと思われます。

 なぜこうしたことをお伝えするかと申しますとこれも地域包括ケアシステムが関係します。必要度が低くなる介護事業所は評判のよくないところから経営が成り立たなくなります。

 もしくはすべての介護事業所がぎりぎりで体力を失い共倒れになるかです。

 以前の記事でも書きましたが、コンビニが地域に無くなれば町民の方々はとても不自由になります。

 介護事業所も共倒れになると当然に近くのところを利用したくても利用できなくなり困ると思います。では遠くの事業所が迎えに来てくれるでしょうか?

 人員不足で疲弊している事業所が遠くの人を送迎するデメリットを避けることになるのは当然です。

 そうしたことも利用される方々、計画するケアマネが考えていかなければ地域が衰退していくこととなります。

 介護事業所は選ばれるサービスや介護の質の向上に取り組まなければなりません。

 そうしたことも地域包括ケアシステムの構築であることを知っていただきたくお伝えさせていただきました。

水の異常に役立つ漢方薬!五苓散!

 漢方では、生体を維持する循環要素として、「気」、「血」、「水」といった考え方がありますが、今回は「水」の異常について紹介します。

 ヒトは1日に2Lもの水を体外に放出しており,それを食物や飲料によって補っていますが,腎臓の糸球体は1日に約180Lもの体液を濾過しその98%を再吸収しています。このように水は私たちが生きていく上で欠かせないものです。その水の流れが滞り、体のどこかで過剰となったり、偏在したりすることを漢方では「水滞」あるいは「水毒」といって治療の対象となります。

 主な症候は、以下の通りです。

 ①分泌異常:水様性鼻汁、喀痰、帯下、浸出液、尿利の減少・過多、水様下痢

 ②停滞:浮腫、胸水、腹水、関節液貯留、腫脹、胃内停水、腹中雷鳴

 ③自覚症状:動悸、めまい感、回転性眩暈、起立性眩暈、耳鳴、頭痛、口渇、  嘔吐、咳嗽、喘鳴

水毒の診断基準(総計13点以上を水毒とする)
身体の重い感じ 悪心・嘔吐
拍動性の頭痛 腸のグル音の亢進
頭重感 朝のこわばり
車酔いしやすい 浮腫傾向・胃部振水音 15
めまい・めまい感 胸水・心のう水・腹水 15
立ちくらみ 臍上悸(腹大動脈の拍動が触れる)
水様の鼻汁 水瀉性下痢
唾液分泌過多 尿量減少
泡沫状の喀痰 多尿

 治療生薬は、茯苓、蒼朮、白朮、猪苓、沢瀉、防已、黄耆、細辛、麻黄、杏仁、半夏、木通などで、利水薬と呼ばれます。そして代表的な方剤は五苓散です。

 これから暑くなるとビールやお酒の美味しい季節がやってきます。皆さんも二日酔いの経験はあると思いますが、これも水毒なのです。他にも車酔い、子どもに多い嘔吐下痢、今の時期であれば雨降り前に頭痛やめまいがひどくなる、体調がすぐれない。そんな時に手許に置いておきたい薬です。

 お困りの方はぜひご相談下さい。

気の異常・病

GW連休も終わり新たな環境に慣れた頃でしょうか?最近は急に気温も上がり体調を崩されている方はいらっしゃいませんか?

病は気からという言葉があります。

東洋医学には気・血・水といった考えがありますが気の異常が水・血にも影響をおよぼすと考えられています。

気とは生命活動を維持する大事なエネルギーと考えられていますが、目に見えないものですから、なかなか解明されていません。

気の病には次の3つのタイプがあります。

分類 病態 主な症状 治療法:生薬
気虚 量的不足 倦怠感・易疲労・食欲不振 補気:人参、黄耆
気鬱 循環障害・停滞 抑うつ・閉塞感・異物感 順気:厚朴、紫蘇葉
気逆 循環障害・逆流 のぼせ・動悸・不安 順気:桂枝、黄連

現代医学では診断のつかない症状でも、気のせいじゃありません。漢方では病名がつくのです。そして治療薬も用意されています。

分類 代表的な治療薬
気虚 六君子湯、 人参湯、 補中益気湯
気鬱 香蘇散、 半夏厚朴湯、 女神散
気逆 苓桂朮甘湯、 桂枝加竜骨牡蛎湯、 桃核承気湯

五月病とは新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称として使われています。また医学的には適応障害とも言われます。これもの病のひとつで受験、入学、転校、入社、転勤と春は環境変化によるストレスの多い季節でもあります。またストレスは現代病のひとつでもあって、最近ではSNSなど流行りのものまで私たちはストレス受けていたりするのです。

補気はほとんど中焦(脾胃)の機能を整え活気付ける方剤です。つまり気の不足は食事から補うとも考えられています。

ちゃんと朝食を取っていますか?

暴飲暴食を避け、過度なダイエットを慎み、1日3回規則正しい食事を取ることをお勧めします。

お困りのことがあればぜひ、ご相談下さい。

R5.5.16ブログ

今回は地産地消について述べてみたいと思います。

皆さんは普段の生活の中で地産地消を意識していますか?

私は意識していますが、なかなか難しい部分もあります。

では、皆さんはどんなことに意識していますか?

これまでも地域包括ケアシステムの観点からお伝えしてきましたが、地域で生活する上で必要なお店は残ってもらわないと将来困ります。すぐに思いつくものとして衣料品店、食料品店、ガソリンスタンド、生活雑貨店、理・美容院、電化製品店などかと思います。

しかしながら近年インターネットの発達や宅配(移動販売)の発展でなくても困らない状況になりつつあります。

高齢者は出かけることが難しくなることを考えると理にかなっている部分はありますが、詐欺の問題やインターネットが使えないなどの問題が生じてきますので対策は必要と思います。

では、本当に地域にないと困るものはなんでしょうか?(公的なものは除く)

ガソリンスタンド、24時間営業のコンビニ、医療・介護サービス、理・美容院などでしょうか!?ときどき見かけますが何でも屋みたいなものがあると良いのかもしれません。

以上のことを考えると川尻、安登、安浦にコンビニが1つずつ、人口に合わせてガソリンスタンド、理・美容院、欲を言えば川尻、安浦にスーパーが残ってほしいですね!

私は当然、川尻を使います。ただ近年コロナ禍で感染対策の観点から理・美容院は近場を使えなかった現実もありました。

近場に必要と思うお店は是非とも地産地消を念頭にご利用されることをお勧めします。

今は車があるから川尻・安浦でなくても行けると思われているかもしれませんが、年を取れば運転もできなくなります。

逆に必要とされるお店は是非とも地元のお客さんを大事にしてほしいと思います。

地域を守れるのは地域の方々であり、一人では微力ですが個々がまとまれば大きな力となります。

自分くらいはいいだろうと一人一人が思えばまとまることは永遠になく、地域はすたれていくのだと思います。

最後に地域の産業を守るために地域を超えてアピールすることも大事なことも沢山あると思います。今は大丈夫でも10年後、30年後はどうなっているかをただ見守るのではなく作り上げていかなければならないのではないでしょうか!?

春先の体調不良、気になりませんか?

 春は新しい場所での生活、入学式、入社式、新しい部署に配属されたりなどと環境が大きく変わる季節です。あと2週間もすればゴールデンウィークがやってきます。春は楽しいことが沢山ある季節なので、春が好きな方も多いのではないでしょうか。

 しかしその反面、疲れが出やすく体調を崩してしまうことも多々あります。世間ではゴールデンウィーク期間前後で見られる倦怠感などの症状を“5月病”といいますが、実は4月はウキウキした気分で過ごすことが多い分、気づかないうちに疲れやストレスを溜め込んでしまう場合が多いのです。その反動として“5月病”に陥りやすくなってしまいます。ゴールデンウィークを存分に楽しむためにも、4月の疲れ・ストレスは4月のうちに解消しておきましょう!

 春はまだまだ気温の変化が多い時期ですよね?虚証の方は身体がついてゆかず全身倦怠感を訴えられることが多くあります。漢方薬には“補気(ほき)”という、元気をつけ、体力を補う作用をもつ薬があります。その代表例が補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。この漢方薬は胃腸機能低下の改善や、免疫力を高めることから風邪の予防にも使われたりしています。また、この時期に急にみられるイライラ感・食欲不振の場合にも有効なことがあります。

人参、甘草、蒼朮   食欲を改善する (それによって筋力や身体機能低下を回復する)
人参、黄耆、当帰   身体全体を元気にする
柴胡、升麻、黄耆   気を持ち上げ、活力や緊張を回復する

 似た処方として、十全大補湯(じゅうせんたいほとう)、清暑益気湯(せいしょえっきとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などもあり、以下のように使い分けられています。

 ・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):顔色が悪く、貧血傾向がある場合

 ・清暑益気湯(せいしょえっきとう):脱水を起こしやすく、夏バテの症状がある場合

 ・人参養栄湯(にんじんようえいとう):貧血傾向に加えて、不安や咳嗽がある場合

 処方名からも、元気をつけるようなイメージがあるなとお分かりいただけると思います。すこし疲れているなと感じたら、是非試してみてください。

R5.4.16ブログ

 地域包括ケアシステムをテーマに毎月記事を書かせてもらっていますが、このたびはメディアでも取り上げられている少子化に関連した地域包括ケアシステムについて述べてみたいと思います。またこの少子化対策として深くかかわるのは政治です。地域では県知事や県会議員選挙が終わり、今度は呉市議選もありますので、その辺も含めて述べてみたいと思います。

 少子化については今に始まったことではなく、「今さら遅いわ」と政治に文句を言いたいところですが、私は正直諦めていました。少子化を多少は減速できても人口増に転じることは不可能であると思っていました。

 しかし地域によっては人口増に転じる可能性がある取り組みをされていることを知り、諦めてはいけないと反省しております。

 様々な取り組みがされる中、ただ単にその地域に人口が増える取り組みをしていては取り合いになるだけでなんの少子化対策にもなりません。その辺も考えながら根本的な少子化対策を国が総力を挙げて実行してほしいところですが、これに関しては各地域で取り組むことが現実的なのだろうと感じます。

 そのための財源を確保するため、どこかを削らなければならない覚悟が必要です。

 人が減れば地域は崩壊していきますので少子化は大きな社会問題だと思います。

 そこで少子化を地域で取り組むならば呉市の政治が動かなければなりません。残念ながら人口の減少は加速しています。呉市内の製鉄所や造船所なども閉鎖、縮小など厳しい状況になっています。観光も若干乗り遅れている感じがしますが、気候の良い瀬戸内海呉市で医療介護特区を作り、高齢者が移住し医療看護に関わる方々が呉市へ移住してくることをずいぶん前に知り合いの先生と語ったものです。

 何の検証もしておりませんし、ただ地域の人口を増やすだけの無責任な提案ですので、とりあえず聞き流してもらえればと思いますが、いずれにしても呉市の将来を考えて政治がしっかりと少子化に取り組まなければならないことだと思っています。

 少し話が矛盾するようですが、広い視野でみると世界人口を減らすことが必要かと思います。世界人口が増えたことにより、それに対応する食糧問題・環境問題などあらゆる側面から貧困で苦しむ人口が増え、明らかに地球の人口は定員オーバーとなっています。このような人口問題は、世界規模で考えなければならない問題だと感じます。

 余談となりますが、医師会も選挙で政治に関与しますが基本的には我々の業界は選挙、政治に関わらないでよい職種だと思っています。なぜかと言うと絶対に必要な職種だからです。医療介護をないがしろにすると医療介護職に就く方がいなくなると思います。正直今のままではそうなっていくだろうと思っています。そうなれば一番困るのは国民です。そして非難されるのは政治家です。

 介護職などには処遇改善手当が支払われるなど対策も実際にされています。コロナ禍で多くの医療機関が疲弊する中、それなりに国の支援はあったと感じてはいますが、職員一人一人にその恩恵がどれほどあったのか、少なくとも当法人では職員には多少の恩恵はありましたが、様々な負担に見合った対価であったかは疑問です。

 最後は愚痴になってしまいましたが、地域包括ケアシステムを構築するには様々な職種や人がいてこそできることです。老若男女問わず地域の人たちで意識を高めて取り組まなければならないことだと思います。

不眠症の漢方治療!!

 夜、布団に入ってもなかなか寝つけない。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めて、そのまま眠れない。一睡も出来ない・・・。不眠は経験した人しか分からない、非常につらい症状です。睡眠には個人差があって、本人のふとんから離れるときの不快感、不満感が問題になるのです。眠れないと、日中にはだるさ、眠気が残り、夜にはまた眠れないのではないかという不安感で、またまた寝つきが悪くなる、という悪循環。

○高齢者に以外と多い不眠症

 65歳以上の10人のうち4人が不眠で悩まれているという統計があります。 

 睡眠時間は個人差が大きく、高齢になると睡眠が浅くなるともいわれています。

 眠れなければ“睡眠薬があるさ”と思われるかもしれませんが、事はそれほど単純ではありません。睡眠薬を用いた場合の注意点に、めまいやふらつきと、それに伴う転倒事故があり、高齢者にとっては、多くの場合に骨折などの重篤な結果をもたらします。

 また、服用して寝入った直後に電話がかかってきたりした時に、寝ぼけたようなとんちんかんな対応をしてしまい、事後にそれを記憶していないことが起こるということも知られています。

○自然な睡眠をもたらす漢方治療

 漢方薬は、精神や神経の活動を抑えることなく体調を整え、その結果として自然な睡眠をもたらすという特徴があります。

◎代表的な漢方薬

 漢方薬の場合、睡眠障害の型で使い分ける必要はありません

 抑肝散や抑肝散加陳皮半夏:神経がこまやかで、イライラする傾向の方

 補中益気湯:疲れやすく、気力も低下しがちな方

 人参養栄湯:胃腸が丈夫でなく肌も乾燥しやすく、頭がすっきりしないなど
 の症状を訴える方。

 桂枝加竜骨牡蛎湯:手足が冷えて、時々動悸を覚えるような方

 そして他の漢方薬が有効でない場合には一度は用いてみたいのが酸棗仁湯です。

 お困りのことがあれば、ぜひ相談してください。


R5.3.16ブログ

 地域包括ケアシステムには地域資源を有効活用することも大事なこととなります。そこでこの度は施設サービスの違いについて述べさせていただきます。

 まずはデイサービスとデイケアの違いをご存じですか?意外に知らない方も多いのではないでしょうか?簡単に言えばデイサービスは生活の場、デイケアは生活に加えてリハビリの場です。そのような理由から利用料はデイケアの方が高くなります。

 しかしながらデイサービスの中にも、当法人が運営するつばきやすみれのようにリハビリが充実しているところがあります。

 デイケアはリハビリ専門の療法士が個別に施術をしてくれるので、そうした施術が必要な状態の方はデイケアを選択されることは良いと思いますが、当法人のデイサービスにも療法士が定期的に状態を確認し、その方に適したリハビリを実施できるようにしておりますので是非ご利用ください。

 次に貴方は最期をどこで迎えたいですか?そうすると自宅と答えられる方が比較的多く、病院が安心との理由で病院を希望される方も少なくないのかと思われます。

 ではどのように最期を迎えたいですか?と聞くと、「苦しまずに」という方が圧倒的に多く、「家族に見守られて」という方も比較的多いのではないかと思います。

 では在宅と施設と病院はどう違うかご存じですか?コロナ禍でもあったこともあり病院では面会制限もあり、在宅を好まれるケースが増えつつありますが、参考にしてもらうためにそれぞれの特徴についてお伝えしますので参考にしてください。

 病院:病棟の種類にもよりますが、基本的には様々な治療を施すことができる治療の専門家がそろっている施設です。ホスピスや地域包括ケア病棟など安楽に過ごせるようにされている病棟もあります。

 施設:生活を支援する介護の専門家がそろっています。お出かけやレクリエーションなどの楽しみを提供される施設もあります。在宅が難しく孤立しない生活を望まれる方には良いと思います。

 在宅:普段の生活に一番近く、自由に過ごしたい方には最適です。さらに医療や介護などしっかり利用できる状況であれば、ある程度安心感もあると思います。

 以上は一般的な特色です。

  近年、最期を迎えるときは苦痛を取り除き、できるだけ自然に近い形が理想とされるので施設や在宅でもほぼ病院と変わらない対応ができることが多くなっています。   

 特に施設は様々な特色があるのでしっかりと確認され、費用面も考慮し選択されたら良いと思います。

 その他、ご不明な点がありましたら遠慮なくお問い合わせください。