身体を温める生薬!附子(ぶし)と乾姜(かんきょう)について

冷えに対して西洋医学では確立した治療法はありません。

あるとすれば下肢末梢の知覚障害、血行障害、運動障害がないことをチェックするくらいです。

大半の場合は(特に若い女性では)、西洋医学的治療の対象を見出せず、
漢方の助けを借りることが多くあります。

漢方医学的な病態(証)の基本的な分類は『陰証』と『陽証』です。

陰証は生体の反応力が低下した病態で、体温産生も不十分なため“冷え性”になりがちです。

漢方医学的には冷えを『寒』といいます。
温かいものを好む、長風呂が好き、夏でも靴下を履いて寝るなどがそうです。

さて実際の冷え症状は、全身型、上熱下寒型、末梢循環不全型と
大きく三つに分類して治療方針を考えます。

「全身型」は、全身的に寒が支配する真性の寒で、陰証の冷えです。
治療は服用することで生体を温める熱薬(附子や乾姜など)を含む方剤を用います。
(桂枝加朮附湯、真武湯、牛車腎気丸他)
附子はトリカブトの根を減毒処理したもので、バーナーで燃やすように
強く体を温める作用や鎮痛作用があります。

乾姜はショウガを蒸して乾燥させたもので
体の中(裏)から温め、元気をつける(補気)作用が強いものです。

この二大熱薬である乾姜と附子に甘草を加えた方剤を四逆湯といい、
温める漢方薬の基本骨格となっています。

尚、四逆湯はエキスにはありません。

名前が似ていますが四逆散(ツムラ35)は全く別の薬なので注意が必要ですね!!

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