嫌な季節・・・花粉、黄砂そしてPM2.5

花粉症でツライ方も多いかもしれませんが、気になるのは花粉だけではありません。
黄砂、PM2.5も気になっている方も多いのではないでしょうか?
PM2.5とは文字通り、2.5μg/㎡以下の微粒子の総称です(1μm=0.001㎜)。
これは髪の毛の直径の1/30程度、スギ花粉の1/10程度の大きさで非常に小さく、
肺の奥まで入りやすいので、花粉症を増悪させるだけでなく、
肺がんなどへの影響が懸念されていますが、詳しくはまだ解っていません。

環境省の定める基準値は、1日平均で35μg/㎡以下となっていますが、
注意喚起のための基準値は70μg/㎡以上となっています。

漢方薬はPM2.5に効くの?なんて聞かれそうですが、
漢方薬は基本的には、病原に対する生態防御反応を支える薬です。

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咽喉痛、咳、痰などの生態防御反応に有効です。
さて、花粉症のファーストチョイスは先月、お話した小青(しょうせい)(りゅう)(とう)です。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりが使用目標となります。

平素から冷えの強い方には麻黄附(まおうぶ)子細(しさい)(しん)(とう)、逆に熱感の強い方(炎症の強い方)には
越婢加朮(えっぴかじゅつ)(とう)が使い分けられます。
これらはいずれも()(おう)という生薬が主薬となっています。
麻黄の主成分はエフェドリンですので、気管支拡張作用があり、
交感神経刺激作用もあるので眠くなりません。
むしろ元気になった気がします。

また元来、胃腸虚弱で麻黄が飲めない方には苓甘姜味(りょうかんきょうみ)(しん)()(にん)(とう)といった薬剤が
適応となります。
今年はみなさんがコロナの影響でマスクを着用されているので鼻の症状ではなく
目のかゆみを訴える方もいらっしゃいます。

その場合にも小青竜湯(アレルギー性結膜炎の効能効果あり)や越婢加朮湯が使われます。
(使用のポイントは上記記載)

また、黄砂やPM2.5の影響で鼻の症状だけでなく喉の痛みや咳が出る場合には
小青竜湯に五虎湯の併用した竜虎湯を使う場合があります。

大阪の耳鼻科の先生が考えられた処方で高い治療効果を得ていると聞いています。

花粉のシーズンはもう少し続きます。
お困りの方はご相談ください。

kousa