春先の体調不良、気になりませんか?

 春は新しい場所での生活、入学式、入社式、新しい部署に配属されたりなどと環境が大きく変わる季節です。あと2週間もすればゴールデンウィークがやってきます。春は楽しいことが沢山ある季節なので、春が好きな方も多いのではないでしょうか。

 しかしその反面、疲れが出やすく体調を崩してしまうことも多々あります。世間ではゴールデンウィーク期間前後で見られる倦怠感などの症状を“5月病”といいますが、実は4月はウキウキした気分で過ごすことが多い分、気づかないうちに疲れやストレスを溜め込んでしまう場合が多いのです。その反動として“5月病”に陥りやすくなってしまいます。ゴールデンウィークを存分に楽しむためにも、4月の疲れ・ストレスは4月のうちに解消しておきましょう!

 春はまだまだ気温の変化が多い時期ですよね?虚証の方は身体がついてゆかず全身倦怠感を訴えられることが多くあります。漢方薬には“補気(ほき)”という、元気をつけ、体力を補う作用をもつ薬があります。その代表例が補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。この漢方薬は胃腸機能低下の改善や、免疫力を高めることから風邪の予防にも使われたりしています。また、この時期に急にみられるイライラ感・食欲不振の場合にも有効なことがあります。

人参、甘草、蒼朮   食欲を改善する (それによって筋力や身体機能低下を回復する)
人参、黄耆、当帰   身体全体を元気にする
柴胡、升麻、黄耆   気を持ち上げ、活力や緊張を回復する

 似た処方として、十全大補湯(じゅうせんたいほとう)、清暑益気湯(せいしょえっきとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などもあり、以下のように使い分けられています。

 ・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):顔色が悪く、貧血傾向がある場合

 ・清暑益気湯(せいしょえっきとう):脱水を起こしやすく、夏バテの症状がある場合

 ・人参養栄湯(にんじんようえいとう):貧血傾向に加えて、不安や咳嗽がある場合

 処方名からも、元気をつけるようなイメージがあるなとお分かりいただけると思います。すこし疲れているなと感じたら、是非試してみてください。