R5.4.16ブログ

 地域包括ケアシステムをテーマに毎月記事を書かせてもらっていますが、このたびはメディアでも取り上げられている少子化に関連した地域包括ケアシステムについて述べてみたいと思います。またこの少子化対策として深くかかわるのは政治です。地域では県知事や県会議員選挙が終わり、今度は呉市議選もありますので、その辺も含めて述べてみたいと思います。

 少子化については今に始まったことではなく、「今さら遅いわ」と政治に文句を言いたいところですが、私は正直諦めていました。少子化を多少は減速できても人口増に転じることは不可能であると思っていました。

 しかし地域によっては人口増に転じる可能性がある取り組みをされていることを知り、諦めてはいけないと反省しております。

 様々な取り組みがされる中、ただ単にその地域に人口が増える取り組みをしていては取り合いになるだけでなんの少子化対策にもなりません。その辺も考えながら根本的な少子化対策を国が総力を挙げて実行してほしいところですが、これに関しては各地域で取り組むことが現実的なのだろうと感じます。

 そのための財源を確保するため、どこかを削らなければならない覚悟が必要です。

 人が減れば地域は崩壊していきますので少子化は大きな社会問題だと思います。

 そこで少子化を地域で取り組むならば呉市の政治が動かなければなりません。残念ながら人口の減少は加速しています。呉市内の製鉄所や造船所なども閉鎖、縮小など厳しい状況になっています。観光も若干乗り遅れている感じがしますが、気候の良い瀬戸内海呉市で医療介護特区を作り、高齢者が移住し医療看護に関わる方々が呉市へ移住してくることをずいぶん前に知り合いの先生と語ったものです。

 何の検証もしておりませんし、ただ地域の人口を増やすだけの無責任な提案ですので、とりあえず聞き流してもらえればと思いますが、いずれにしても呉市の将来を考えて政治がしっかりと少子化に取り組まなければならないことだと思っています。

 少し話が矛盾するようですが、広い視野でみると世界人口を減らすことが必要かと思います。世界人口が増えたことにより、それに対応する食糧問題・環境問題などあらゆる側面から貧困で苦しむ人口が増え、明らかに地球の人口は定員オーバーとなっています。このような人口問題は、世界規模で考えなければならない問題だと感じます。

 余談となりますが、医師会も選挙で政治に関与しますが基本的には我々の業界は選挙、政治に関わらないでよい職種だと思っています。なぜかと言うと絶対に必要な職種だからです。医療介護をないがしろにすると医療介護職に就く方がいなくなると思います。正直今のままではそうなっていくだろうと思っています。そうなれば一番困るのは国民です。そして非難されるのは政治家です。

 介護職などには処遇改善手当が支払われるなど対策も実際にされています。コロナ禍で多くの医療機関が疲弊する中、それなりに国の支援はあったと感じてはいますが、職員一人一人にその恩恵がどれほどあったのか、少なくとも当法人では職員には多少の恩恵はありましたが、様々な負担に見合った対価であったかは疑問です。

 最後は愚痴になってしまいましたが、地域包括ケアシステムを構築するには様々な職種や人がいてこそできることです。老若男女問わず地域の人たちで意識を高めて取り組まなければならないことだと思います。

不眠症の漢方治療!!

 夜、布団に入ってもなかなか寝つけない。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めて、そのまま眠れない。一睡も出来ない・・・。不眠は経験した人しか分からない、非常につらい症状です。睡眠には個人差があって、本人のふとんから離れるときの不快感、不満感が問題になるのです。眠れないと、日中にはだるさ、眠気が残り、夜にはまた眠れないのではないかという不安感で、またまた寝つきが悪くなる、という悪循環。

○高齢者に以外と多い不眠症

 65歳以上の10人のうち4人が不眠で悩まれているという統計があります。 

 睡眠時間は個人差が大きく、高齢になると睡眠が浅くなるともいわれています。

 眠れなければ“睡眠薬があるさ”と思われるかもしれませんが、事はそれほど単純ではありません。睡眠薬を用いた場合の注意点に、めまいやふらつきと、それに伴う転倒事故があり、高齢者にとっては、多くの場合に骨折などの重篤な結果をもたらします。

 また、服用して寝入った直後に電話がかかってきたりした時に、寝ぼけたようなとんちんかんな対応をしてしまい、事後にそれを記憶していないことが起こるということも知られています。

○自然な睡眠をもたらす漢方治療

 漢方薬は、精神や神経の活動を抑えることなく体調を整え、その結果として自然な睡眠をもたらすという特徴があります。

◎代表的な漢方薬

 漢方薬の場合、睡眠障害の型で使い分ける必要はありません

 抑肝散や抑肝散加陳皮半夏:神経がこまやかで、イライラする傾向の方

 補中益気湯:疲れやすく、気力も低下しがちな方

 人参養栄湯:胃腸が丈夫でなく肌も乾燥しやすく、頭がすっきりしないなど
 の症状を訴える方。

 桂枝加竜骨牡蛎湯:手足が冷えて、時々動悸を覚えるような方

 そして他の漢方薬が有効でない場合には一度は用いてみたいのが酸棗仁湯です。

 お困りのことがあれば、ぜひ相談してください。


R5.3.16ブログ

 地域包括ケアシステムには地域資源を有効活用することも大事なこととなります。そこでこの度は施設サービスの違いについて述べさせていただきます。

 まずはデイサービスとデイケアの違いをご存じですか?意外に知らない方も多いのではないでしょうか?簡単に言えばデイサービスは生活の場、デイケアは生活に加えてリハビリの場です。そのような理由から利用料はデイケアの方が高くなります。

 しかしながらデイサービスの中にも、当法人が運営するつばきやすみれのようにリハビリが充実しているところがあります。

 デイケアはリハビリ専門の療法士が個別に施術をしてくれるので、そうした施術が必要な状態の方はデイケアを選択されることは良いと思いますが、当法人のデイサービスにも療法士が定期的に状態を確認し、その方に適したリハビリを実施できるようにしておりますので是非ご利用ください。

 次に貴方は最期をどこで迎えたいですか?そうすると自宅と答えられる方が比較的多く、病院が安心との理由で病院を希望される方も少なくないのかと思われます。

 ではどのように最期を迎えたいですか?と聞くと、「苦しまずに」という方が圧倒的に多く、「家族に見守られて」という方も比較的多いのではないかと思います。

 では在宅と施設と病院はどう違うかご存じですか?コロナ禍でもあったこともあり病院では面会制限もあり、在宅を好まれるケースが増えつつありますが、参考にしてもらうためにそれぞれの特徴についてお伝えしますので参考にしてください。

 病院:病棟の種類にもよりますが、基本的には様々な治療を施すことができる治療の専門家がそろっている施設です。ホスピスや地域包括ケア病棟など安楽に過ごせるようにされている病棟もあります。

 施設:生活を支援する介護の専門家がそろっています。お出かけやレクリエーションなどの楽しみを提供される施設もあります。在宅が難しく孤立しない生活を望まれる方には良いと思います。

 在宅:普段の生活に一番近く、自由に過ごしたい方には最適です。さらに医療や介護などしっかり利用できる状況であれば、ある程度安心感もあると思います。

 以上は一般的な特色です。

  近年、最期を迎えるときは苦痛を取り除き、できるだけ自然に近い形が理想とされるので施設や在宅でもほぼ病院と変わらない対応ができることが多くなっています。   

 特に施設は様々な特色があるのでしっかりと確認され、費用面も考慮し選択されたら良いと思います。

 その他、ご不明な点がありましたら遠慮なくお問い合わせください。

ほてり、のぼせに使う漢方薬!

 一般に女性は冷え症の方が多いですが、更年期(正常閉経は43~54才)になるとのぼせるという方もいます。更年期でなくても、生まれつき足が焼ける、ひどい時は冷蔵庫に足を入れたいというほどほてって困るという方もいます。また、最近では男性更年期でのぼせ、ほてりを訴える方も増えています。

 のぼせ、ほてりを訴える方が附子などの入っている薬を間違って飲まれたら、ほてり感はますますひどくなって副反応をおこしてしまいます。こういう方は「陽証」「熱証」なので、熱をとる、冷やしてあげる薬が必要となってきます。その代表は石膏(せっこう)や黄連(おうれん)という生薬です。

 連は植物ですが、石膏とは硫酸カルシウムの二水和物塩の結晶で生薬の中では数少ない鉱物のひとつです。骨折時に使われるギブスやセメント、チョークの原料も石膏の仲間です。それを薬として炎症をとる、冷やす薬として生薬にした古代の人の知恵は正に恐るべしです。黄連を含む漢方薬の代表は黄連解毒湯や三黄瀉心湯です。黄連解毒湯は苦味健胃薬でもありますがほてり・のぼせのある方にはこの苦味が気にならないようです。証があっていれば味も合うという不思議な関係もあるのです。まず飲んでみて続けて飲めるかどうかは薬の効果にも関係してきます。また、長風呂が苦手とか冬でも冷たいものを好んで飲む、食べる方などは冷やす薬を使います。

 一方、石膏を含む薬の代表には越婢加朮湯、麻杏甘石湯、白虎加人参湯などがあります。

 色々な種類の薬があります。きっと貴方に合うものがあるはずです。

R5.2.11ブログ

今年から再出発したブログですが、「たつき会の地域包括ケアシステム」として発信しております。

今回は今年の8つの目標の中の一つである「地域包括ケアシステムの発展」を深堀りしたいと思います。 

繰り返しになりますが、地域包括ケアシステムとは住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることが出来るように、地域で医療・介護・住まいなどを一体的に提供するシステムのことです。

医療や介護を受けることから、医療・介護分野から発信された言葉であるため、医療や介護に携わる方々は医療と介護を中心に考えられることが通例です。

しかしながら私はこの言葉が使われ始めた当初から「生活」に着目していました。地域の方々に「生活」無くして医療も介護もありません。それは当然のことと思われますが、医療や介護分野で働く方々にも、当然「生活」があってこそ仕事が出来ます。

さらに医療や介護事業所は職員が従事しているから成り立つのは当然ながら、医療や介護に必要な医薬品や生活必需品が手に入らなければ日々の運営は成り立ちません。

例えば入居施設で散髪をしたくても施設へ訪問してくれる理容業の方が居なければ素人が対応するしかありませんし、オムツや食料品が調達できなければ冷凍やレトルトなどの食品になります。介護サービスには送迎もありますので給油所や車の整備工場も地域に無いと困ります。職員に子供がいれば学校・教育に関わる場所も必要です。

結局「生活」に必要なものが地域に無ければ不自由で自分らしい最後は迎えられないと言うことです。

なので私は地域の他職種がつながるために様々な取り組みを開始したのですが、軌道に乗り始めたと思ったところで、コロナ禍に突入し頓挫してしまいました。様々な方法はあったのですが、コロナ対応に追われ、結果何もできず3年が経過しました。

そこでこのたび地域包括ケアシステム構築のために、法人内で担当職員を任命し再始動しております。現在地域の方々と打ち合わせをしながら方向性を定め、実際に「けん玉教室」などで地域に出向き活動をしてくれています。知っている人は知っているかと思います。

しかしながらこうした活動は容易なものではありません。右往左往することもあるでしょう。

ただ地域包括ケアシステム、地域のつながりが大事だということはご理解いただけるものと思います。

少しでも早く、少しでも良いものにするためには一人ひとりの協力と参加が必要となりますので、会合などを企画した際は是非ともご支援、ご参加お願いします。

しもやけに効果の期待できる漢方薬!!

 まだまだ寒い日が続いていますが、最近は冬の季節ならではの『しもやけ』でお困りの患者さんが多く見受けられます。来院されずとも、毎年しもやけによる痛みや痒みで困っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。特に女性は家事で水に触れる機会が多くなるので、ハンドクリームを塗ってもあまり意味がないと感じられているのではないでしょうか…?

 そんな辛い悩みの解決が期待できる漢方薬ご存じですか?しもやけの辛い悩みを今年で最後にしませんか?次の漢方薬を使うと、その悩みが解消されるかもしれません!

 そんな魔法のような漢方薬は

当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)   

 といいます。

 呪文のようなとても長い名前です。恐らく医療用の漢方製剤の中でも一番長い名前ではないでしょうか。この漢方薬は、『四肢末梢の冷えが強く体調を崩しやすい方で、不定の疼痛を訴える場合に良い』、いわゆる『冷え症』に用います。

★ポイント:西洋医学では ‘冷え性(自覚症状や体質を指す)’として治療対象としないことが多いのですが、漢方医学では ‘冷え症(ひとつの病気)’として重視します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

は10個の生薬から構成されますが、主な役割は次のとおりです。

桂皮(けいひ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、 細辛 (さいしん) 温め、温かさを全身に巡らせる。
芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき) 血行を良くして末梢の冷えを改善する。

 桂枝湯(けいしとう)という上手に身体を温めることができない虚弱な方にも対応できる漢方薬がベースになっています。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) は、

 ① 服用後、30分くらいで手足が温まる

 ② 予防的に使えば次の年にしもやけが見られないといったようなデータもあるので、お困りの患者さんは是非、ご相談ください。

R5.1.11ブログ

新年を迎え今年新たな目標を少しでも実現していくために、個人的な記事ではなく、地域や市民の方々にお役に立てる情報発信や当法人の取り組みを紹介することで安心をお届けできるよう、目的を持った内容で「たつき会と地域包括ケアシステム」としてお送りしたいと思います。

このたびは今年の目標について具体的にどのように取り組んでいくかなどお伝えしたいと思います。

①コロナ禍で永続できる感染対策作り

 →これまで当法人で様々に取り組んできた対策の中で効果的であったことを具体的にお伝えしていく

②法人内のコミュニケーション向上

 →コロナ禍で職員間のコミュニケーションが不足しがちの中、どんなコミュニケーション方法が可能になったかをお伝えしていく

③法人内外システムの充実

 →これまで法人内で取り組み効果的であったことは勿論、今後地域との連携を行うために取り組むことをお伝えしていく

④地域奉仕活動の充実

 →コロナ禍でも様々な活動が行われるようになってきた現在、感染対策を行いつつどう地域活動に参加していくかをお伝えしていく

⑤安心して働ける職場創り

 →法制度を利用しながら、介護や子育てと仕事を両立でき安心して働ける職場環境を整える取り組みを具体的にお伝えする

⑥利用者が楽しく生活できる取り組み

 →当法人が取り組むDCT(夢をかなえる)活動を具体的にお知らせする

⑦BCP(事業継続計画)の充実

 →災害に備え当法人が準備した内容を具体的にお伝えし、地域に少しでも安心を提供する

⑧地域包括ケアシステムの発展

 →これまで「樹立の会」や「川安の集い」など行ってきたが、コロナ禍でストップしたままになっている。上記の目標を実行することも発展につながり、さらには多職種で地域を守ることが本来の地域包括ケアシステムであるということを一人でも多くの方に理解していただき、協力を得ていけるよう情報の発信をおこなう

地域の状況が軽傷であれば費用が安く簡単に治りますが、重症となれば費用がかさみ難治で、最悪滅びてしまいます。

私は10年以上前からそうした危機感を持って取り組んできましたが、危機感のない方が多いのが実情かと思いますし、他人ごとになっている方も多いと感じます。

何が危機なのかも含め、ブログでお伝えすることで理解して下さる方が増え、協力団結して行けることを夢見て取り組もうと思います。

本年もどうぞよろしくお願いします。

身体を温める生薬、附子(ぶし)と乾姜(かんきょう)について

西洋医学では冷えに対して確立した治療法はありません。せいぜい下肢末梢の知覚障害、血行障害、運動障害がないことをチェックするくらいです。大半の場合は(特に若い女性では)、西洋医学的治療の対象を見出せず、漢方の助けを借りることが多くなります。

漢方医学的な病態(証)の基本的な分類は『陰証』と『陽証』です。陰証は生体の反応力が低下した病態で、体温産生も不十分なため“冷え性”になりがちです。漢方医学的には冷えを『寒』といいます。

さて実際の冷え症状は、全身型、上熱下寒型、末梢循環不全型と大きく三つに分類して治療方針を考えます。「全身型」は、全身的に寒が支配する真性の寒で、陰証の冷えです。治療は服用することで生体を温める熱薬(附子や乾姜など)を含む方剤を用います。

附子はトリカブトの根を減毒処理したもので、バーナーで燃やすように強く体を温める作用や鎮痛作用があります。乾姜はショウガを蒸して乾燥させたもので体の中(裏)から温め、元気をつける(補気)作用が強いものです。この二大熱薬である乾姜と附子に甘草を加えた方剤を四逆湯といい、温める漢方薬の基本骨格となっています。尚、四逆湯はエキスにはありません。名前が似ていますが四逆散(ツムラ35)は全く別の薬なので注意が必要ですね。

漢方薬のおいしい飲み方 ~子ども編~

『良薬は口に苦し』

漢方薬ほどこの言葉が似合う薬はないと思います。とはいっても、そんな理由で子どもが苦くておいしくない薬を飲んでくれるか?といえば、それは難しいことでしょう。しかし、美味しく飲む方法が実はあるんです!

今回はその飲ませ方の工夫を紹介します。

まずは薬に対して子どもがどのような反応をするか、年代別に知っておきましょう。

乳児期(0~1歳) 比較的飲ませやすい
幼児期(2~5歳) 薬に敏感で、しばしば服薬拒否
学童期(6歳以降) 漢方の必要性を理解すれば比較的飲ませやすい

漢方を飲ませるのが難しい年代は幼児期です。この間に苦い漢方薬に慣れていくと、もしかしたら食べ物の好き嫌いがない子どもに育っていくかもしれないですね。

では、肝心の『漢方の飲ませ方』について見ていきたいと思います。

①甘い漢方薬を飲ませてみる

 漢方薬に苦手意識がある子どもには甘い漢方薬から飲ませてみましょう。

 比較的飲みやすい漢方薬は、建中(けんちゅう)湯類(とうるい)(黄耆建中湯(おう ぎけんちゅうとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう))、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、麻黄湯(まおうとう)、六君子湯(りっくんしとう)、桔梗湯(ききょうとう)があります。

②味付けをしてみる

 1回分の漢方薬を適量のお湯に溶かして溶液を作ります。そして砂糖やココア、麦芽飲料、ハチミツ、アイスクリーム、ヨーグルトなどに混ぜて下さい。ただ、ハチミツにはボツリヌス菌が含まれている可能性があるので、乳児には与えないように。ココアや抹茶コーヒーなど少し苦めの味のものと混ぜ合わせると、味と香りが相殺されて飲みやすくなったりします。アイスクリームやヨーグルトなどの冷たいものは味覚を鈍くさせて苦みをわかりにくくする効果があります。しかし、胃腸が弱っていたり、風邪の引き始めで悪寒がしている時などには温かいものに溶かして飲ませたほうが効果も増強します。

いかがでしたか?

是非試して、子どもが笑顔いっぱいで飲めるようになってもらいたいですね。

漢方薬の飲み方の工夫! ~高齢者編~

 今回は漢方の飲み方の工夫(高齢者編)についてお話します。

 まず、なぜ漢方薬が高齢者の方によいと言われているか、ご存知ですか?

 それは年齢を重ねるにつれて身体機能の低下や病気の長期化など、同時に複数の病を患う状態になることが多くなるからです。複数の病を治すためにはいくつもの診療科に通って、何種類もの薬を内服することになる…。

 漢方薬には様々な心身の変化や不調、病気に対して細かく対応できる処方が沢山あります。漢方薬は高齢者の方のこういった悩みを解決できる、とても有用な薬なのです。

 しかし、いくら有用な薬だといっても、飲みたくない・・では意味が無いですよね。高齢者の方の中には、食事の際にむせてしまう方や入れ歯を装着している方など、漢方薬を飲みたくても飲めないあるいは飲みにくい場合があります。

 その場合の対処法についても紹介したいと思います。

 ①お湯に溶かす、味付けをする

 こちらは、前回紹介した子どもへの飲ませ方とほとんど同様です。ほかの方法を挙げるとするならば、お粥や味噌汁に混ぜてみると良いでしょう。

 ②嚥下困難(食事でむせてしまう)の方には

 嚥下困難の方には、原則、汁物にとろみをつけて固めます。とろみは最初スプーン1~2杯から開始し、最大7~8杯まで加えます。スプーン7~8杯のとろみを加えると、汁物もほとんどゼリー状に固まってきます。お粥などでも嚥下が困難な場合は必要に応じてとろみをつけると良いでしょう。とろみ以外では、ゼリー状のオブラートにエキス顆粒を包んで内服させる方法もあります。現在は、チョコレート味、イチゴ味など色々な味がついているものまであります。

 ③入れ歯を装着している方には

 漢方服用の際に入れ歯を外すという方法もありますが、手間な時もありますよね。そういった場合には、お湯にエキス顆粒を溶かすという方法がよく使われています。他には、オブラートを用いると良いでしょう。オブラートにエキス剤を入れて水を入ったコップに入れ2~3秒待つとゼリー状になり飲みやすくなります。ぜひ、お試しくださいね。