生死

先日土砂災害がありました。まだまだ記憶に新しい東日本大震災の時のことを思い出すような後景でした。

尊い命がまた失われましたが、先日患者さんにもう覚悟しているつもりでも友達が亡くなると寂しく、憂鬱で自分も死ぬのかと思うと怖くなると言われていました。若いころはそんなことも考えたことが無いと言われてましたが・・・そんなことないですよ私も考えますと話をしました。

同級生がこれまでに何人か事故や病気などで亡くなりました。普段は死についてそこまで考えることはありませんが、そういったとき自分自身もいつどうなるか判らないと考えます。しかしいつも出てくる答えは「思い残すことは無い」「精一杯生きた」と感じます。

実際には仕事や家族を途中で投げ出すわけですから無責任であり、思い残すことが無いわけは無いのですが・・・

しかし最近はまだまだ生きたいと感じるようになりました。生きていれば必ず良い事がある。自分がしなければいけないことがある。自分の責務を終えたらしたいことがある。と思うように変わりつつあります。

人間は欲がありすぎてもいけませんが、無いと老け込んだりボケたりします。ほどほどに希望を持って、夢を持って。欲を持って生きていくべきなのではないかと思います。

その欲を持ち続ける以上は生きていたいと思います。

年齢に関わらず皆さんには是非、欲を持って希望を持ち続けていただきたいと願います。

どんなに苦境に立っても、どんなに虐げられても、どんなに重い病気になっても、どんなに生活が苦しくても、なった方しか判らないことも多いと思いますが、災害や病気、困難を乗り越えてこられた皆様に敬意を表し見習いたいと思います。

テレビに出る漢方薬

7月29日夜7時からテレビで「林修の今でしょ!講座」で帝京大学の新見正則先生が講師で

「漢方薬って本当に効果があるの?講座」ってやっていました。  089041

内容は

1.夏かぜ、2.肩こり、3.腰痛、4.うつ病、5.認知症、6.がん、7.肥満

に対するものでした。

 1.夏かぜに対しては、葛根湯、眠くならないのがメリット!

 2.肩こりには、急性期には葛根湯もいいが、長引いたら肩甲骨が固まってくるので動かすことが一番、

水泳がいいですよ。

 3.腰痛の急性期には勺薬甘草湯、慢性期のものには()(けい)(かっ)(けつ)(とう)

 4.うつ病には漢方はサポート程度で、うつ病もどきに加味帰脾(かみきひ)(とう)人参(にんじん)黄耆(おうぎ)の組み合わせが、気力、

体力も落ち込んだ状態を回復させてくれる。

 5.認知症に効く薬は、残念ながらまだ西洋薬、漢方薬にもありません。ただ漢方では興奮を抑えるのに  

(よく)肝散(かんさん)が注目されています。

 6.がんに効く漢方薬はありません。ただ、精神的疲労や抗がん剤の副作用を和らげるのに補中(ほちゅう)(えっ)()(とう)

役に立ちます。これも人参(にんじん)黄耆(おうぎ)の組み合わせが入っているので気力・体力を回復させてくれますから、

手術前や手術後に役に立ちます。

 7.肥満には、防風通(ぼうふうつう)聖散(しょうさん)が有名ですが、基本はイン・アウトの問題。取るカロリーと消費するカロリー

のバランスなので食事、運動療法が基本です。

といった内容でした。

さて、かぜに対する漢方薬は保険適応のものだけでも14種類もあります。また、腰痛の効能を持った漢方薬も8種類もあります。漢方薬は異病(いびょう)同治(どうち)(異なる病気でも同じ治療薬が用いられることがある)や同病(どうびょう)異治(いぢ)(同じ病気でも人によって使う薬が違う)が当たり前です。それは漢方薬が本来、生体の持っている自然治癒力を補うように作られたものが多いからです。病名は同じ風邪でも、ウィルスを撃退しようとする反応は人様々です。その風邪に対する代表が葛根湯であり、人によっては、()黄湯(おうとう)(けい)()(とう)麻黄附(まおうぶ)子細(しさい)(しん)(とう)などが使われることもあります。急性の腰痛に対する筋肉の緊張や痛みには、概ね芍薬甘草湯でいいでしょう。

うつ病や認知症、がんに対する効能を持った漢方薬は実はありません。ただ、その病気の症状によっては漢方薬が適応となることもあります。

人参・黄耆の入った補中益気湯、十全大補湯、清暑益気湯、加味帰脾湯などは、疲労・倦怠感を改善してくれます。夏ばて気味の方はどうぞお試し下さい。

釣り画報

このたびの釣り画報という雑誌にわが子が掲載されました。img_c027

おもしろおかしく漫画化されています。

医院で年間購読しておりますが、売り上げ貢献で是非購入してください(笑)

釣りは私は全然しておりませんが、好きな方は多いようです。

危険を伴うこともあるので安心安全に楽しまれればと思います。

子供のころは私も一人ででもよく近くの海で釣っていました。

夜釣りや早起きして川釣り、大物釣りなどはしたことはありませんが、釣りには釣りの魅力があるものと思います。

いつかゆっくり釣りが楽しめる時が今後あるのかわかりませんが・・・人には様々な変化、未知の未来があると思います。

本が嫌いな私も本を読むようになりました。(最近読めていませんが)

絶対に変わらないこともありますが、良い意味で進化していくことは必要だと思います。

ふるさと納税

今日の中国新聞にふるさと納税の記事が書いてありました。

多くの方が耳にしたことくらいはあると思いますが、ちょっと気になり調べてみました。

我が町、呉市は特産品も何もなく受け入れていないようでした。なぜでしょう?

少し見ただけですが特産品を出している所はふるさと納税した半額分相当の物をお返ししているようです。

納税することで控除が受けられ税金も減りますし、どうせ寄付するならふるさと納税がお得だと思いました。寄付するのにお得と考えるのもおかしな話ですが、ふるさと納税で特産品をその自治体が扱うと言う事はその町の産業の活性化にもつながります。もちろん集められた資金はその自治体のために使われます。

これから安倍総理はこのふるさと納税の枠を見直し積極的に取り組む方向のようです。この記事を見られた方は是非考えて見られてはいかがでしょうか?

私は東日本大震災があって毎年欠かさず募金をするようにしています。平成23年3月11日早いもので3年が過ぎました。この記憶は決して忘れてはいけませんし、人として継続して出来ることをしていきたいと思っています。

地球という地上、日本という国で人間として私のような個人が生きさせていただいている。生きたくても生きられなかった人達、大切な人を失った人達の思いをひとかけらでも感じ、自分のできることを続けたいと思っています。

私のような自信家で未熟な者でも人としての心は失いたくないと思っています。できれば人のためにひとつでも、少しでも何が出来ればと思っています。もちろん自分に費用や時間に余裕やゆとりがなければ無し得ないことですし、近年その余裕やゆとりは無くなってきました。それでも出来る限りのことはしていきたいと思います。

かっこいい事ばかり書いてしまいましたが、当然思うようにいかない時もありますし、汚い心、せこい心、自己本位な心など私個人にも当然あることを自覚しています。自分には判りませんがそれが8割あるのかもしれません。きれいごとばかり書けば8割良い人だと感じられるかもしれませんが、私も同じ人ですから良い所ばかりではありません。是非少しでも良い所を増やし伸ばしていければと思いますし、皆さんもそうなっていくと理想的だと思います。

ホームページが変わり久々に個人的な記事を書かせていただいたように思います。

ご意見やご要望などあればお知らせください。失礼しました。

元気が出る漢方薬

梅雨明けと同時に大暑の頃を迎え、猛暑が続いています。電気代を節約して、あるいは冷房は嫌いだからと我慢していらっしゃいませんか?30℃を超えたら温度を28℃くらいに設定して冷房を使って下さい。特にマンションのような集合住宅にお住まいの方はお気をつけ下さい。最近は部屋の中にいて熱中症になるほど一昔前よりは暑くなりました。

ストレスの多い時代、えらい!しんどい!って疲労・倦怠感を抱えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか?そんな方に栄養ドリンク以上に確実に効く薬が漢方にはあります。元気が出る薬、それが補剤と呼ばれる漢方薬です。

補剤の代表は補中(ほちゅう)(えっ)()(とう)です。名前の通り、(ちゅう)(ちゅう)(しょう))を補い、気を益す薬です。漢方医学では、(ちゅう)とは消化管(消化機能)のことです。つまり消化機能を補い、元気を出させる薬なのです。その中心となる生薬は人参(にんじん)です。生薬の中でも最も高価なものの一つです。食卓に並ぶセリ科の野菜のニンジンと違って、ウコギ科のオタネニンジンが生薬として用いられています。朝鮮人参、薬用人参、高麗人参などとも呼ばれていますが、なぜ高いのか申しますと、種子から根の収穫まで4~6年もかかるからです。また、一度収穫すると10~30年も同じ土地では栽培できないと言われています。次に大事な生薬が黄耆(おうぎ)です。人参と黄耆を含む漢方薬のことを参耆剤(じんぎざい)とも言います。補剤(参耆剤)の作用について、もう少し詳しく言いますと、補剤は本来生体が持つ、免疫機能の賦活、全身の栄養状態の改善、生体防御機能の回復、治癒力の促進の効能を持った薬剤群のことを指します。

最近よくテレビに出ている帝京大学の新見正則先生は、新型インフルエンザが話題になった頃、ご自身が行かれていた愛誠病院職員360人を2群に分け、補中益気湯を飲ませた群と飲ませなかった群でインフルエンザに罹患した数を比較研究されたそうです。その結果、飲んだ群では1例だったのに対し、飲ませなかった群では7人がインフルエンザに罹患したそうです。疲労回復促進することは風邪の予防にもつながるということですね。

ほかにも、夏ばて専用の補剤、清暑(せいしょ)(えっ)()(とう)や気が虚しただけでなく、血まで虚した状態、つまり貧血傾向、皮膚の乾燥や肌荒れがある人には十全(じゅうぜん)大補(たいほ)(とう)人参(にんじん)(よう)(えい)(とう)が使われます。人知れず頑張っている貴方、えらい、しんどいという慢性的な疲労は漢方では未病(みびょう)という状態で治療が可能なのですよ。

人口減少

川尻町の広報誌で毎月町内の人口推移を見ているが、とうとう5月末で9000人をきりました。

早ければ昨年、遅くても昨年度中に9000人きるかと思っていましたので少し耐えたという私の印象です。

全国的に人口減少は始まっており、一部都心や台地開拓、大学など大きな施設、企業が誘致されたところ以外は減少が始まっています。

外国人が入ってくるため純粋に推移しない部分はあると思いますが、今後も人口減、高齢者増、少子高齢化率増で国内は様々な問題を生じてくることは間違いありません。

それが我々医療・介護の分野では最も大きな問題として直面する分野であると言わざるを得ません。

高齢者が増加すれば治療、入院、施設が必要な方が増えます。そして現在施設が増えていますが、働き手となる若い人たちが定着しない介護現場で人員不足による、職員の疲弊は切実な悩みです。

町の人口が減れば町自体が衰弱し、利便性も低下します。

当法人が開設したケアビレッジたつきもまさしくそのような状況に苦労しています。

安浦町はとても人温かい印象があり、様々な地域の活動が盛んにされています。そんな町で当法人の施設がお役にたちたいと思っていますが、内情は厳しいものがあります。

地域の方々、職員のために作ったと言っても過言でないケアビレッジたつきが立派に地域に貢献し、利用者さんの立場に立った一目置かれる施設に成長するために微力ではありますが力を尽くしたいと思っています。

最後になりますが看護師・介護士・理学作業療法士・ケアマネージャーを募集しておりますのでお声掛けいただければ幸いです。

初投稿

法人としてのホームページを立ち上げて初めての個人的な記事を投稿します。

と言いましても使い方を確認しちゃんと投稿できるかテストでまずは書かせていただきます。

今後、創傷治療や様々な情報もしくは私の個人的な写真や趣味など色々と活用できればよいのですが、なかなかゆっくりと記事を書くのに時間も取れず不慣れなことはなかなか取り組めません。

それでもいつかは取り組みたいと思いますので引き続き閲覧いただければと思います。

痩せ薬にはご用心

2008年から始まった特定健診制度もあってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉が一時ブームにもなりました。これは内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態のことをいいます。

さて、そうしたメタボブームの中、痩せる薬として、2006年に小林製薬から「ナイシトール」が発売され、痩せ薬のOTC(一般用医薬品)市場もブームを迎えます。他にも「コッコアポ」やロート和漢箋シリーズの「ロート防風通聖散錠」などCMがテレビで流れ、痩せ薬の市場はなんと200億円くらいもあるそうです。そこで値段を調べてみました。4週間飲んだ場合で大体4,500円~5,600円(税込み)かかるようです。これらはいずれも中身は漢方薬の防風通(ぼうふうつう)聖散(しょうさん)です。医療用の防風通聖散も実はあります。ツムラのものは4週間分で薬価は1,911円、3割負担の場合で573円です。一般用はより安全性を重視し、医療用よりも薄味に作ってあります。なのに一般用がこんなに高いのはなにか不思議な気がします。

防風通聖散の効能は「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘」となっています。ほかに肥満に使用される漢方には、水太りタイプの防已黄耆(ぼういおうぎ)(とう)、OTCではビスラットゴールドという名称で販売されている大柴(だいさい)()(とう)などがあります。

実は防風通聖散は意外と副作用が多いことでも知られています。能書には重大な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパシー、肝機能障害、黄疸があげられています。また瀉下成分の大黄(だいおう)芒硝(ぼうしょう)が入っていますので、合わない方では下痢することもあります。

いずれにしても美容目的の極端なダイエットは危険です。薬で痩せようと思ってはいけません。正しい食事療法と運動療法が最も大事です。薬はそのサポートとお考え下さい。できれば医師の管理の下での肥満治療をお勧めします。

諸外国に比べると、日本人の肥満率は決して高くありません。BMI25以上の人が約25%、4人に1人くらいです。さらにBMI30以上となるとわずか4%くらいです。先進国(OECD加盟国)の中でも肥満率は最も低い国の一つなのです。長寿国としての所以なのかもしれませんね。

不眠症に用いる漢方薬

不眠をタイプ別に分類すると、入眠障害(寝つきが悪い)、熟眠障害(眠っているけどよく眠れた感じがしない)、中途覚醒(しばしば目が覚めてしまう)、早朝覚醒(早く目覚めてしまう)に分けられます。

食う、寝る、出すというのはヒトとしての基本的動作ですから実は大事なことのひとつだと思います。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることを聞かれた方もいるのではないでしょうか?浅い眠りをレム睡眠、深い眠りをノンレム睡眠といいます。今、特に高齢者の睡眠障害が増えていると言われています。その特徴はノンレム睡眠には4段階あるのですが、より深い眠りの第3,4段階の眠りが減少しているということが分ってきています。つまり浅い眠りの段階が増え、中途覚醒の回数と時間が増えているということです。

不眠に対する漢方薬の代表は、まず(さん)(そう)(にん)(とう)が挙げられます。2000年前の古医書「金匱(きんき)要略(ようりゃく)」に登場する薬です。条文には「虚労、虚煩、不得眠、酸棗仁湯主之」(虚労(きょろう)虚煩(きょはん)、眠ることを得ざるは、酸棗仁湯(さんそうにんとう)(これ)(つかさど)る)とあります。常に疲れて弱って、些細なことが気になって眠れないものを治すということです。酸棗仁湯に含まれる(さん)(そう)(にん)という生薬は不眠だけではなく、眠り過ぎにも有効で、睡眠異常の正常化薬だといわれています。

ほかには、イライラ感があって眠れないというものに、柴胡桂枝乾姜(さいこけいしかんきょう)(とう)(よく)肝散(かんさん)(さい)()加竜骨(かりゅうこつ)牡蛎(ぼれい)(とう)加味帰脾(かみきひ)(とう)など(さい)()という生薬の入ったものもよく用いられます。柴胡には肝(疳)の昂りを鎮める作用があります。

柴胡加竜骨牡蛎湯や(けい)()加竜骨(かりゅうこつ)牡蛎(ぼれい)(とう)に含まれる、竜骨(大型哺乳動物の骨の化石)や牡蛎(かきの殻)は、ともに主成分は炭酸カルシウムで精神安定作用を目的に加えられた生薬です。恐い夢を見るとか、物事に驚きやすいといった症状が使う目標になってきます。悪夢に効く漢方薬があるわけですね。

漢方薬はいずれも直接的な催眠剤ではないので、眠前投与とは限らず、1日3回服用も標準的な使い方です。ハングオーバー(薬の持ち越し効果)や脱力感、薬物依存などの心配もありません。日常生活に悪影響がないだけではなく、全身的な体調も整えてくれます。

尚、米国の調査では健康な人の睡眠時間は6~7時間だとする疫学データも出ています。つまり眠り過ぎも良くないということです。大事なのは時間ではなく、睡眠の質ということですね。